◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。 国土交通省の公開しているデータによりますと、令和2年度末の全国の地籍調査の進捗率は面積ベースで52%となっております。東北・九州地方では5割の7県で80%を超えるなど比較的調査が進んでいるのに対しまして、関東・中部・北陸・近畿では軒並み40%を下回っており、10%台の府県も複数あるなど大幅に遅れております。 福井県全体での実施進捗率は14%でございまして、最も進んでいる鯖江市で35%となっております。また、現在
地籍調査実施中が12市町ございまして、休止中が3市、未着手が2町となっております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) それでは続いて、小浜市の地籍調査の取組と、そして現在の進捗状況についてお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、田中君。
◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。 小浜市では昭和44年度から昭和47年度にかけて遠敷地区、加斗地区などの6地区合計6.42平方キロメートルで地籍調査に着手いたしましたが、
土地区画整理事業への事業転換などによりまして昭和48年度以降事業は休止中となっております。 休止後は、地籍調査の成果と同等に扱われます国土調査法第19条第5項の指定を進めまして、松永地区・宮川地区・谷田部区・府中区など
土地改良事業を実施した地域を中心に約15.5平方キロメートルで完了しております。 本市の現在の進捗率は約7%でございまして、県内17市町のうち11番目でございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 令和2年度末の全国の地籍調査の進捗率は52%で、福井県全体の進捗率は14%と大幅に遅れています。その遅れている福井県の中で、小浜市の進捗率は県内17市町の中で11番目の7%ということです。しかも、
地籍調査事業は昭和44年に着手し、昭和48年度以降休止中です。50年近くも休止のままです。先ほどの地籍調査の効果を考えますと、小浜市はこれまでのとおり休止を続けていてもよいのかなと考えます。 それでは次に、この地籍調査は特に都市部、いわゆる
人口集中地区で遅れているそうですが、国はこの
人口集中地区の地籍調査を推進するために平成16年度から平成18年度まで都市再生街区基本調査という調査を行っておりますが、その
調査事業内容についてお尋ねをいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、田中君。
◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。 都市再生街区基本調査でございますが、都市部の地籍調査を推進するための基本的なデータを整備する作業で、議員仰せのとおり平成16年度から平成18年度に国が実施した調査でございます。この調査の対象地域は全国の
人口集中地区のうち、地籍調査が実施されていない地域で行われまして、小浜市もこの調査の対象となっております。 調査の内容は、まず公図や都市計画図など市・県・国が保有しております官民境界などに関する既存資料の収集と現地踏査を実施いたしました。次に、既に設置されております四等三角点など、より精度の高い公共基準点を基準といたしまして、街区基準点と言われます現地測量を行うための基準点の整備を実施いたしました。街区基準点には街区三角点と街区多角点と呼ばれる永久標識がございまして、それぞれ500メートル間隔、200メートル間隔で主に道路などの公有地上に設置されております。また、街区基準点を補完するための街区三角点節点、街区多角点節点、補助点も設置されました。そのほか、法務局にあります公図のうち、紙ベースのものをデータ化する作業も実施されました。最後にこれらで得られた成果をデータベース化して取りまとめまして、測量成果を国土交通省のホームページで公開しております。 小浜市には街区三角点が11か所、その節点が1か所、街区多角点が53か所、その節点が67か所、補助点が1,155か所ございます。 なお、基本調査によって整備された街区基準点の測量成果は、市などの関係自治体に移管されておりまして、管理・保全に努めるということになっております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 国は、街区基準点を設置したこの調査の際、市から収集した情報や現地調査を基に
人口集中地区における公図と現況のずれを調査しました。その調査により分かった小浜市の
人口集中地区の公図と現況のずれの傾向についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、田中君。
◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。 小浜、雲浜、西津地区など街区基準点が整備されております区域の公図と現況のずれでございますが、国土交通省が公開しております都市再生街区基本調査及び
都市部官民境界基本調査の成果の提供システム、これによりますと、海側の古い町並みが多く残る地域で1メートル以上10メートル未満の大きなずれのある地域に位置づけされておりまして、市役所周辺や水取区など過去に
土地区画整理事業が実施された地点におきましては30センチメートル以上1メートル未満のずれのある地域に位置づけられております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 小浜・雲浜・西津地区の海側の古い町並みが多く残る地域で1メートルから10メートルの大きなずれが生じているということです。このような大きなずれがあると隣地との境界争いになり、土地を利用したり土地を処分することが容易にできなくなり、また万が一、災害時には復旧が困難になり公共工事がなかなか進まなくなります。 このようなことを考えると、地籍調査を一日でも早く再開する必要があると考えますが、そこで、なぜ小浜市において地籍調査が50年近くも休止状態にあるのか、その経緯・理由をお尋ねいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、田中君。
◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。
地籍調査事業が休止となった主な理由は、地籍調査を進めようといたしましたが、境界立会いに関する調査に地権者の協力が得られなかったということと、同時期に市内の各地で
区画整理事業が盛んに実施されるということが重なりまして、
区画整理事業を優先するということで昭和48年度に事業休止を決定いたしまして現在に至っております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 昭和48年度の事業の休止の理由に
区画整理事業を優先させたとのことでございます。その当時は、区画整理の必要性も高かったことは理解します。
土地区画整理事業が地籍整備に貢献したことも事実です。 しかし、私の記憶では、間違っていたらすみません。平成17年に
西津東部土地区画整理事業が完了してから
区画整理事業は行われていないと思います。
区画整理事業が行われていないのに、しかし地籍調査は再開されていません。これは理解に苦しむところであります。 それでは次に、この
地籍調査事業を小浜市で再開するとすれば、事業経費がどのぐらいになるのかをお尋ねいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、田中君。
◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。 地籍調査にかかる費用は、福井県の担当課によりますと測量場所などの各種条件にもよりますが、1平方キロメートル当たり約1億3,000万円程度ということでございます。また、補助金などの割合につきましては事業の実施主体により定められておりまして、市が実施主体となる場合には国が50%、県が25%、市が25%となっております。このため、小浜市の面積約233平方キロメートルのうち、今後調査が必要な約210平方キロメートルで実施した場合、事業費は約273億円で市が必要とする経費は約69億円となります。宅地に限りますと、調査が必要な面積は約6.5平方キロメートルございまして、事業費が約8億5,000万円で約2億2,000万円の経費が必要となります。また、本事業では市の経費のうち80%が国の
特別交付税措置の対象となっております。各年度に配分される特別交付税は国の予算の状況によって減額される場合もありますが、仮に80%の措置があった場合、市の負担は市全域で実施した場合は約14億円、宅地のみの場合では約4,500万円と算出されます。 なお、事業に要する経費は国・県・市が負担するため、一般住民の方々には費用負担を求めないということになっております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) ただいまの答弁の最後に、
地籍調査事業では土地の所有者である市民の皆様には費用負担が全くないということです。この点は強調しておきたいと思います。 次に、事業経費ですが、答弁にあったように総事業費の市の負担分4分の1の80%を特別交付税で措置するということです。したがって、市の負担部分は総事業費の5%でよいということになります。国は、この事業を積極的に推進するために補助率を高くし、補助が手厚い事業としています。小浜市の宅地全部を地籍調査した場合、事業費は8億5,000万だそうですが、市の負担は約4,500万円で済みます。地籍調査を行えば、市民の皆様が土地の処分や分筆する場合において、境界が不明確なときに比べ調査測量の費用負担が軽減できます。本当に市民の皆様にとって有益な事業であります。 国は、先ほどの都市再生街区基本調査を踏まえて平成22年度から第6次
国土調査事業10か年計画、そしてそれに続いて令和2年度からの第7次10か年計画を通して、地籍調査の未着手・休止市町村の解消を目指しています。また、
人口集中地区を
優先実施地域としてその地域の地籍調査を推進しています。 それでは最後に、国がこのような積極的な取組をしている中で、小浜市の地籍調査に対する考え方と今後の方針についてお尋ねをいたします。
○議長(小澤長純君) 市長、松崎晃治君。
◎市長(松崎晃治君) お答えいたします。 地籍調査につきましては、これまで答弁させていただきましたように、土地の有効活用の促進や災害復旧の迅速化など様々な効果が見込まれます。例えば、東北地方で地籍調査が比較的進んでいたことによりまして、東日本大震災の際には、津波で家屋等が流され従前の状態が全く分からない状況となっても復旧・復興が迅速に行われ、住居の集団移転にも多大な効果があったとうかがっておりまして、大規模災害に対する備えを考える上でも必要なものであると認識しております。 一方、土地には付随する利害関係が複雑に絡み合っている場合も多く、土地所有者など関係者の協力なしには
地籍調査事業を着実に進めることが困難でございますことから、市民の皆様には御理解と御協力をお願いしてまいりたいと考えております。 地籍の明確化は、早期の
北陸新幹線開業を目指す本市にとっても新たなまちづくりに取り組む上で円滑に事業を進める有効な手段の一つと捉えておりますことから、今後は
地籍調査事業の再開に向けまして準備を進めてまいりたいと考えております。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 地籍調査の再開に向けて準備するとの市長の御答弁、休止からかじを切ったものと評価したいと思います。 先ほど申し上げたように、国は現在、
人口集中地区を地籍調査の
優先実施地域としています。これには、小浜市の大きなずれのある地域に位置づけされている小浜・雲浜・西津地区も含まれています。今後、
地籍調査事業を再開するためには、基本方針・基本計画を立てて、実施方法・実施体制を整えていかなければなりません。遅れている分を取り戻すには、いろいろエネルギーが必要だと思います。しかし、この地籍調査を一日でも早く完了させることは、将来の小浜市のまちづくりにとって大変重要なことであると思います。その分を認識して、気概を持って地籍調査の推進に取り組んでいただきたいと思います。 それでは、次の2件目の内水浸水に移ります。 内水浸水とは--内水氾濫とも言いますが--市街地に排水能力を超える多量の雨が降り、排水が雨量に追いつかず建物や土地が水につかる現象です。 まず初めに、平成25年9月の台風18号のときの
公共下水道事業区域内の
内水浸水被害についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君)
上下水道課長、今村君。
◎
上下水道課長(今村昭広君) お答えいたします。 平成25年9月15日から16日までに本市に影響をもたらしました台風18号によりまして、小浜市でこれまで最大の日雨量253.5ミリメートル、最大時間雨量35.5ミリメートルを観測し、市街地を中心に相当数の浸水被害が発生しております。
公共下水道事業区域におきましては、床上浸水42棟、床下浸水170棟、合わせまして212棟の浸水被害を確認しております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 小浜市では今説明のあった台風18号時の最大の日雨量253.5ミリ、最大時間雨量35.5ミリを対象降雨として、台風後に
内水ハザードマップを作成していますが、
内水ハザードマップについてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君)
上下水道課長、今村君。
◎
上下水道課長(今村昭広君) お答えいたします。
洪水ハザードマップが国や県が管理している河川での外水氾濫、つまり洪水が発生した場合に想定される浸水区域や浸水深を示すマップであるのに対し、
内水ハザードマップは雨水渠や側溝の排水能力を超える大雨等によって内水氾濫が発生した場合に想定される浸水区域や浸水深を示したマップでございます。また、
内水ハザードマップは、市民の皆様に御自宅などの浸水リスクや浸水時の行動についてあらかじめ確認し日頃から内水による浸水に備えていただくために、想定される水深や
水害発生メカニズム、また避難方法などの情報をまとめたものでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君)
内水ハザードマップを見ても浸水深の目安が色分けされていますが、家屋浸水が予想される排水区についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君)
上下水道課長、今村君。
◎
上下水道課長(今村昭広君) お答えいたします。
公共下水道事業区域の
排水区域面積約748ヘクタールのうち、令和2年度に策定しました小浜市
公共下水道変更事業計画によりますと、家屋浸水が予想される排水区は約271ヘクタールであり、このうち
浸水対策整備済み面積は令和2年度末現在約88ヘクタールとなっております。
小浜西部地区におきまして、香取・貴船・浅間・青井の各雨水渠の整備が完了し、現在は千種地係の竹原雨水渠の整備を順次進めているところでございます。 今後は、現在進めている
竹原雨水渠整備の早期完成と、新たに水取地域の雨水対策につきましても早期の着手、整備に努めてまいりたい、このように考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 今後、新たに水取地域の雨水対策についても早期の着手、整備に努めてまいりたいとのことですが、水取排水区の内水浸水の原因についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君)
上下水道課長、今村君。
◎
上下水道課長(今村昭広君) お答えいたします。 水取排水区につきましては、常時は水取雨水渠と国土交通省が管理しております
三味線堀樋門、この2か所から排水を行っておりますが、豪雨時には北川の水位が上昇し逆流することから
三味線堀樋門の閉鎖を行っております。このことにより、旧
小浜水産高校付近を通る水取雨水渠だけでは排水能力が不足するため内水浸水が発生するものでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 台風18号時の水取排水区は内水浸水で多くの家屋が被害に遭いましたが、市ではその後、あらゆる調査をしながら
雨水渠整備計画を比較検討してきましたが、検討された計画案と現在の状況についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君)
上下水道課長、今村君。
◎
上下水道課長(今村昭広君) お答えいたします。 水取地域の浸水対策につきましては、これまで北川沿いに水取地域から小浜中学校を経て小浜湾へ至るまでの新たな幹線雨水渠を整備する方法や、地下に大規模な貯留施設を設け雨水を一旦貯留してから排水する方法で検討を進めてまいりましたが、どちらの方法も長期の事業期間と膨大な事業費を要することとなります。そのため、現在、雨水渠整備に代わり比較的短い事業期間で整備効果が発現できる方法として、雨水を強制的に排水するポンプ施設と当初の計画より小さい貯留施設を併用する方法で検討を進めているところでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 様々な計画案が比較検討されてきた中で、現在の最終計画案とも言える雨水を強制的に排水するポンプ施設と一時的に雨水を貯留する施設の併用方法についてお尋ねをいたします。
○議長(小澤長純君)
上下水道課長、今村君。
◎
上下水道課長(今村昭広君) お答えいたします。 雨水を強制的に排水するポンプ施設とは、豪雨時に雨水を北川へ強制的に排水するために、上水道施設であります水取中継ポンプ場から仮設ホースを設置し、堤防を乗り越えて排水する方法でございます。 また、雨水を貯留する施設とは、公園の地下にタンクを設置することにより豪雨時に雨水が河川へ一気に流入することを抑制し、道路の冠水や河川の氾濫を防ぐものでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 雨水を強制的に排水するポンプ施設が稼働した場合、国基準の時間雨量50ミリの計画雨量のシミュレーションでは、浸水状況はどのようになるのかお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君)
上下水道課長、今村君。
◎
上下水道課長(今村昭広君) お答えいたします。 現況の計画降雨であります5年確率の時間雨量50ミリメートルでのシミュレーションでは、広い範囲にて床上・床下浸水が発生しており、流下能力の不足が明らかとなっております。これに対し、ポンプ施設から雨水を北川へ強制的に排水した場合、おおむね道路冠水相当の浸水で済み、浸水被害は大幅に減少する見込みでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 本当に長い期間の調査を費やしてようやくゴールが見えてきたかなと思いますが、今後のスケジュールについてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君)
上下水道課長、今村君。
◎
上下水道課長(今村昭広君) お答えいたします。 今後も引き続きまして国土交通省との協議を進め、令和4年度におきましては、地元地区への説明、市が定める都市計画決定の手続および小浜市公共下水道の変更認可業務を行う予定をしておりまして、早期の事業化に向けまして取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 17番、富永芳夫君。
◆17番(富永芳夫君) 雨水を強制的に排水するポンプ施設と一時的に雨水を貯留する施設を併用する方法は、小浜市では初めての試みでもありますから、地元の皆様に丁寧な説明をし、御理解を得て、一日でも早い事業化に努めていただきたいと思います。 以上で一般質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(小澤長純君) ここで、換気・消毒のため5分程度休憩いたします。 午前10時38分休憩 午前10時43分再開
○議長(小澤長純君) 再開いたします。 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 13番、公明党の下中でございます。発言通告書に基づき一般質問をさせていただきます。 本日の質問は、重層的支援体制整備事業と除雪の取組について、そして北陸新幹線早期全線開業についての3件をお伺いいたします。 まずは、1件目の重層的支援体制整備事業についてでございますが、この事業は、80代の親が50代のひきこもりの子供を経済的に支える8050問題や介護と育児を同時に担うダブルケアなど、複合的な諸課題は市庁舎内など一つの窓口では対処し切れない場合があります。小浜市ではそんなことはないと思われますが、住民が相談に行ってもたらい回しに遭ったり適切な支援につながらないケースもあるようでございます。 そこで、本年9月議会一般質問におきまして、地域共生社会実現に対する市長の見解で、制度や福祉分野ごとの縦割りや支え手、そして受け手という関係を超えて地域住民や地域の多様な主体が我が事として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて丸ごとつながることで、住民一人一人の暮らしと生きがい、地域をともに創っていくことであるとの御答弁をされておられました。そのような点におきまして、地域住民による福祉活動を推進するに当たり、現状の取組や地域共生社会の概念についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 市民福祉課長、上野君。
◎市民福祉課長(上野正博君) お答えいたします。 地域共生社会とは、日本の社会保障制度の成り立ちや、個人の抱える課題の複雑化・複合化といった社会の変化を踏まえ、制度・分野の枠や支える側、支えられる側という従来の関係を超えて、人と人、人と社会のつながり、一人一人が生きがいや役割を持ち、助け合いながら住み慣れた地域で暮らしていくことのできる包摂的なコミュニティーや地域社会をともに創るという考え方であり、その実現が求められています。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 包摂的なコミュニティーの重要性を述べておられましたが、最近におきまして、人間関係も希薄し地域における人と人とのつながりも弱くなってきているとも言われておりますし、それが現状でもございます。 そこで、地域共生社会実現における地域住民の取組に対する課題についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 市民福祉課長、上野君。
◎市民福祉課長(上野正博君) お答えいたします。 本市の地域福祉活動におきましては、これまで民生委員・児童委員をはじめ、ひとり暮らし老人相談員や老人クラブの老人家庭相談員などが中心となって身近な相談役として重要な役割を担ってきました。 しかし、現在では、このような地域福祉活動の担い手の確保が困難となっています。また、ボランティア活動におきましても、介護予防教室等を支援するほほえみサポーターズやふれあいサロンの運営スタッフでありますサロンリーダーなども年々登録人数が減少しております。そのため、新たな人材を発掘し地域福祉活動への興味や関心を高め、活動参加を促進していく必要がございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 課題として地域活動の担い手の確保が困難とのことでございますが、この地域福祉において住民を牽引する行政の役割と責任については最も重要かと思われますが、現在の取組についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 市民福祉課長、上野君。
◎市民福祉課長(上野正博君) 社会福祉法第6条第2項におきまして、国および地方公共団体は地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備その他地域福祉の推進のために必要な各般の措置を講ずるよう努めなければならないとされておりまして、地域共生社会実現における地域福祉の推進は国と地方公共団体に責務がございます。そのため、住民に最も身近な行政であります市町村は、地域の課題を把握しまして住民による地域福祉活動促進のための環境整備を行うとともに、民間団体の福祉活動と行政を結びつける調整役を担います。 一方、地域住民は、地域共生社会の実現のために住民自らが積極的・主体的な社会参加意識を持って行政へ提言し、また、ともに支え合う地域づくり活動やボランティア・NPO活動に参加していく役割が期待されます。 民間団体におきましては、地域の一員として、福祉の視点に立ち社会貢献活動を推進する取組が期待されます。 本市では、地域福祉活動の環境整備の一環としまして市内2か所に地域包括支援センターを設置するとともに、ボランティアや地域福祉を行う方の養成講座を開催するなど、サポーターの育成等を実施しております。また、安全・安心な地域づくりとしまして市内新聞販売店や郵便局など全26事業者と地域見守り活動に関し協定を締結し、民間団体が行う福祉活動の促進を図っています。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 地域の課題を把握し住民による地域福祉活動促進のための環境整備を行うとのことでございますが、今後どのように取り組んでいかれるのかをお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 市民福祉課長、上野君。
◎市民福祉課長(上野正博君) お答えいたします。 小浜市の福祉の方向性を示します第4期小浜市地域福祉計画を現在策定中でございます。第4期小浜市地域福祉計画案では、第6次小浜市総合計画を基に、基本理念「みんなが活躍できる 地域のしあわせ」を掲げまして、地域生活の実情や課題を踏まえ、それらを解決する様々な施策を検討しています。その中で、地域共生社会の実現には多くの市民の地域福祉活動への参加と協働を求めていく必要があります。そのことから、さらなるボランティア育成と活躍できる場を創出していきたいと考えております。また、地域住民が抱える課題が複雑化・複合化している中におきまして、制度のはざまの課題に対応できるよう、分野を超えた包括的な支援体制の構築に取り組んでいきたいとも考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 繰り返しになりますが、今ほどの上野課長の答弁で分野を超えた包括的な支援体制の構築に取り組んでいきたいとも考えていると述べておられました。「取り組んでいきたい」でなく、「取り組んでいきたいとも考えている」というのが少し気になりますが、そこで本題であります重層的支援体制整備事業についてお伺いをいたします。 重層的支援体制整備事業につきましては、福祉や介護、子育てといった縦割り行政の弊害を解消し関係部局と家庭の状況を共有するなど、横断的な調整を図りながら必要な支援につなげていく、これが狙いと思われまして、国の財政支援の下、本年4月から市町村の任意事業として始まったものでございます。例えば福井県内では坂井市が今年度より健康福祉部に高齢・生活困窮・子どもなどの担当課に加え、新たに重層的支援を統括する福祉総務課が新設されているということでございます。同課は、健康福祉部に所属する六つの担当課のメンバーを集め、各窓口で住民からの相談を受理する中で一つの課では対応が困難な課題などを共有し、解決に向けた会議を定例で実施されているということもうかがっております。 そこでお尋ねしますが、社会福祉法の改正により、市町村は本事業を適切かつ効果的に実施するために重層的支援体制整備事業実施計画を策定するよう努めるとのことでございますが、本市の計画策定に対する考えについてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部長、岡君。
◎民生部長(岡正人君) お答えいたします。 重層的支援体制整備事業は、分野を超えた包括的な支援体制の構築に必要な事業と考えております。重層的支援体制整備事業は、属性や世代を問わない包括的な相談支援体制を図る「相談支援事業」と、社会とのつながりを回復するための支援を行う「参加支援事業」、および誰もが交流できる場や居場所の整備を行う「地域づくりに向けた支援事業」のこれら三つを一体的に実施する事業でございます。この事業は、地域における共同体としての機能の脆弱化に対応すると同時に、地域の担い手不足等も踏まえて地域社会の基盤の再構築を目指すものであり、事業への取組は有効であると考えております。 現在策定中の第4期小浜市地域福祉計画案におきましては、本事業の実施に向けて準備を進めることとしております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 重層的支援体制整備事業実施に向けて準備を進めていくとのことでございますが、小浜市における本事業を展開する際の課題についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部長、岡君。
◎民生部長(岡正人君) お答えいたします。 事業を実施するに当たりましてまずは移行準備事業に取り組み、介護、障がい、子ども・子育て、生活困窮分野をはじめとする庁内関係部局、庁外の民間団体等との連携体制の構築、また移行に向けた計画の作成を行うことになります。現在、地域包括支援センターや自立促進支援センターなどにおいてそれぞれの分野ごとに対応しております相談支援につきまして、包括的な支援体制の整備を図っていくことが課題であると考えております。 既に取り組んでおられる自治体では相談支援包括化推進員等の専門職を調整機関に配置し、相談窓口の設置の仕方や会議の統廃合などを検討しながら重層的支援体制整備事業の実施や準備を進められておられます。本市としましても、それらの自治体の情報を得ながら重層的支援体制整備事業に向けました準備について取り組み、誰一人取り残さない、みんなが活躍できる地域共生社会を市民の皆様とともに創ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 岡民生部長より、小浜市においても本事業に向けての決意とも言える考えを述べていただきました。今後におかれましても、市民の複合的な課題などに対応していただくための取組を御期待申し上げまして、2件目の質問となる除雪の取組についてお伺いをいたします。 ここ最近の小浜市における大規模な降雪として記憶に新しいのは、平成29年2月の大雪がございます。当時、本市にとって数年ぶりの大雪で、除雪の遅れなど市民生活の影響なども大きかったことを思い出します。また、翌年となる平成30年2月の福井県嶺北部での豪雪は国道8号線の通行止めや物流の途絶えなど、多くの被害と混乱をもたらしました。 そのような中、ここ数年は若狭地域にとりましてもありがたいことに大きな積雪はございませんが、昨年度における本市の除雪管理は積雪深10センチメートル以上で607路線、262.9キロメートルに対応とのことでございます。 そこで、小浜市の過去5年間の積雪状況についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、鈴木君。
◎産業部次長(鈴木常仁君) お答えいたします。 過去5年間の小浜市の積雪状況、最深積雪量につきましては、豪雪となった平成29年2月が80センチ、平成30年2月が48センチ、平成31年1月が4センチ、令和2年2月が7センチ、令和2年12月が11センチでございました。 除雪車の出動日数および稼働時間としましては、平成28年度が20日間で4,856時間、平成29年度が14日間で2,136時間、平成30年度が4日間で63時間、令和元年度が5日間で42時間、令和2年度が11日間で322時間でございます。平成28年度豪雪時は除雪車の稼働が突出して多くなっておりまして、道路交通の確保のため多くの除雪業者に昼夜を問わず御尽力いただいたところでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) それでは、先ほど申し上げました過去の小浜市や嶺北地域の豪雪など、いつ災害級の豪雪に見舞われるか分からない状況も想定されます。また、30年2月の福井嶺北部での豪雪には、鈴木次長も本当に大変な中対応されたこともうかがっております。そのような点におきまして、急な豪雪に対応する除雪の考えについてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、鈴木君。
◎産業部次長(鈴木常仁君) お答えいたします。 市では、令和2年12月に福井県嶺南振興局小浜土木事務所と、雪害時の除排雪業務に関する協定を結びまして、豪雪時の道路交通の確保や機能の復旧に迅速に対応することとしております。 具体的には、遠敷の指定雪量観測点で警戒積雪深60センチを大幅に超え、かつ主要路線における積雪状況、その後の降雪予報などから緊急事態に陥るおそれがあると判断された場合につきまして、県と市が協力し、まず重要路線--主要幹線道路・バス路線・通勤通学路線・公共施設連絡道路など--こちらを優先しまして除排雪を行い、その後通常の除雪路線の除排雪を行うものでございます。このように、県と協力して重要路線から除排雪を行うことで豪雪時における物流が確保されることから、市民生活への影響を極力抑えることができるものと考えております。 また、福井県が提供する、みち情報ネットふくいでは、県内の主要な道路に設置してあるカメラにより積雪状況や国道・県道の除雪状況も分かることから、その活用について様々な機会を捉え広報していく必要があると考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 豪雪時に、まずはこの重要路線、その後に通常路線の除排雪を行うとのことでございます。しかし、道路幅員が狭小な場所、それとか市道以外は地域の方々の協力が必要となりますが、その点に対する見解をお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、鈴木君。
◎産業部次長(鈴木常仁君) お答えいたします。 本年度の道路除雪は、市道・代替路線・施設内道路を合わせて607路線、262.9キロメートルを市役所車両・リース車両・委託業者の車両合わせて39台で除排雪作業に当たる予定でございます。 除雪路線は、除雪車が作業できる幅員が確保されていること、通り抜けができること、舗装されている道路であることなどを基本とし、除雪作業は積雪が10センチに達した場合に開始することとしております。幅員が狭く、また通り抜けができないなどの理由により除雪路線ではない道路につきましては、地域の実情を熟知しているまちづくり協議会など地域の皆様に除雪をお願いしており、今後とも地域除雪に御協力いただきますようお願いいたします。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 地域除雪に関しては地域の皆様の協力をいただくことが重要でございますが、自宅から外出するのに自力だけでの除雪が厳しく近くに支援者がいない、このような要配慮者世帯もあるかと思われます。 そこで、先ほど1件目に質問しました地域共生社会実現に対する見解も踏まえて、高齢者と要配慮者に対する取組についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部次長、谷君。
◎民生部次長(谷義幸君) お答えいたします。 日常生活におきまして何らかの支援が必要となります要配慮者に対しましては、災害時の避難をはじめ降雪・積雪の時期に玄関先の除雪を自力でできないケースや除雪に苦慮されているケースがございまして、この方々に対しましては地域での支援体制を構築する必要がございます。こうしたことを踏まえ、市では各区におきまして、災害時と同様、自主防災組織などとの連携の下、玄関先の除雪に対し御協力いただけるようお願いをしているところでございます。また、市民税非課税世帯で、市内に身寄りのない65歳以上のひとり暮らしの高齢者や65歳以上の高齢者のみ世帯、また障害者手帳を所持しておられる方のみの世帯などを対象に、おおむね1メートル以上の積雪による家屋倒壊の危険性がある場合に、各地区民生委員や公益社団法人小浜市建設機構に御協力をいただき家屋の屋根の雪下ろしに対応する体制を整えているとともに、費用の一部を対象の高齢者などに助成する制度を設けております。 地域共生社会は--先ほども答弁がございましたが--地域住民や地域の多様な主体が我が事として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながり、住民一人一人の暮らしと生きがい、地域をともに創っていくことによりその実現が図られるものでございまして、今後も行政としての様々な支援を通しまして地域共生社会の実現に向けた地域での取組を支えていきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) このあたり、しっかりと対応されているとのことでございますが、先ほども申しました、近くに支援者のいない要配慮者のみの世帯に対する相談体制の構築ですね、このあたりもまたしっかりとよろしくお願いをいたします。 そして、大雪時になりますと困るのが除雪後のたまった雪をどこに捨てるのかということであります。それでは、この質問の最後に排雪場の取組についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、鈴木君。
◎産業部次長(鈴木常仁君) お答えいたします。 大雪時には道路の除雪作業において排雪のための雪捨て場が必要となることから、毎年12月1日から翌年の3月31日まで、南川町地係の南川河川敷の一部を排雪場として指定し、開設時には一般に開放しております。さらに降雪が続き排雪場が不足する場合につきましては、加えて川崎の小浜漁港を臨時の排雪場として開設することとしており、平成28年度の豪雪時にも臨時排雪場を開設したところでございます。 本年度も道路除雪対策計画に基づき排雪場の開設準備を進めるとともに、除雪業者と連携を密にし道路除雪に万全を期したいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) それでは、3件目の質問に入ります。 その前に、私の持ち時間もまだ30分以上ございますので、少々長くなりますが、今期18期に入ってからの小浜市議会における北陸新幹線全線開業に対する活動を紹介させていただきます。 今期に入ってからと申しましたが、当市議会におきましては今から8年6か月前となる平成25年6月に北陸新幹線若狭ルート早期実現特別委員会を設置し、その後平成28年12月に北陸新幹線敦賀以西候補の3ルートから小浜・京都ルートが決定しその目的が達成しましたことから、平成29年6月に委員会を廃止し、新たな課題に向けて同年6月、北陸新幹線早期全線開業特別委員会を開設しました。そして、今期に入り特別委員会も一昨年7月に再設置され、現在に至っているということでございます。 その活動の主なものとして、令和元年には、日帰りで石川県小松市と加賀市に
北陸新幹線開業に伴う駅周辺のまちづくりに対する行政視察や、北陸新幹線全線開業とまちづくりについてをテーマに、この地域の未来を担う若者の声が重要との観点から若狭高校・若狭東高校の両高校生と県立大小浜キャンパスの学生の方々との意見交換会を行った後、福井県知事・県議会議長への要望活動もさせていただいております。 そして、昨年1月には北陸新幹線早期全線開業に対する要望書をもって、現在首相となられた当時の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの岸田座長や国土交通省鉄道局長に小浜市の熱き思いをお伝えするとともに、前国土交通大臣にも同要望書を届けました。そして、同年8月に高木毅衆議院議員を講師に迎えまして、小浜市議会の全員協議会室で北陸新幹線早期全線開業に向けての研修会の開催、そして11月には小浜商工会議所の皆様との意見交換会を行っております。また、12月4日に上京しまして、北陸新幹線敦賀開業遅延に伴う緊急要望を、政府関係の前国土交通大臣、そして与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの細田座長などをはじめとする多くの関係者に要望書を直接手渡しました。緊急要望の内容につきましては、万が一、仮に敦賀開業が遅れるようなことがあっても何とか2023年度当初からの敦賀以西着工をお願いするものでございます。要望先の国会議員からは、新幹線の効果を見れば早くネットワークをつなげる重要性と必要性や、できるだけ早く着工できるように頑張っていきたいなどの前向きな意見も多くいただくことができました。このことにつきましては、今年2月9日の衆院予算委員会で、前国土交通大臣も2023年度当初の着工を求める与党決議を重く受け止めるとの発言もありましたように、着工時期の議論も活発化している向きでございます。 そして、今年に入り若狭地域の意見を伺い今後の活動に反映することを目的に、2月におおい町議会、先月には若狭町議会との意見交換会を行いました。また、同年2月の要望活動につきましては、新型コロナウイルス感染症による2度目の緊急事態宣言のため書面による実施となりました。そして、6月2日には、新型コロナウイルス感染症の影響を理由としたJR小浜線などの減便や駅の無人化などの急進的な合理化をすることがないよう、地方鉄道の維持・活性化について国の関与を求める意見書の提出を沿線自治体の議会に小浜市議会議長が直接訪問してお願いし、6月議会においてJR小浜線沿線自治体となる敦賀市から舞鶴市までの全議会が同様の内容で国に対して意見書の提出を行いました。また、9月議会最終日には、北陸新幹線の早期全線開業を目指すに当たり小浜線が並行在来線には該当しないことを明確にすること、また10月実施の小浜線の運行本数の削減など性急な合理化を行わないこと等についての決議を全会一致で可決し、10月7日にはJR西日本金沢支社を窓口に決議書を手交することができました。これらの活動は、北陸新幹線の全線開業予定について2045年というのが国の方針でございますが、これを15年間短縮して2030年の北海道新幹線札幌開業までに目指そうというための取組であります。そして、これらの要望活動につきましては、ほとんどが松崎市長とともに実施したことも申し添えておきます。 以上が、今期現在までにおける大まかな小浜市議会の北陸新幹線早期全線開業に対する活動の取組であります。 前置きが本当に長くなりましたが、今回の質問は、市長をはじめとする行政と議会が両輪として北陸新幹線の早期全線開業に向けて取り組むための質問として進めてまいりたいと思います。それではまず最初に、北陸新幹線全線開業により小浜から京都まで19分ということになりますが、市民生活の変化についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 企画部次長、角野君。
◎企画部次長(角野覚君) お答えいたします。 北陸新幹線が全線開業することで交通の利便性が向上いたしまして、小浜・京都間が19分、新大阪間が38分でつながり、他都市との移動時間が大幅に短縮されます。この関西圏と短時間でつながることで、京都など関西エリアが生活圏になりまして、市民の皆様の行動範囲は大きく広がるものと考えております。例えば、子供たちが自然豊かな小浜で過ごしながら他都市の学校に新幹線で通学するといった選択肢が増えまして、また通勤や旅行・買物などといった多様なニーズに応えることが可能になります。さらには、他都市への通院の手段となるほか、医師が都会から本市へ往診することが現実的となりまして、より身近で専門的な治療を受けることが可能になります。 このように、全線開業により市民の皆様の暮らしの幅が広がるとともに、満足度の高い暮らしが期待できるものと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 何かおさらいのような質問になってしまいますが、続いて全線開業による小浜市の発展可能性についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 企画部次長、角野君。
◎企画部次長(角野覚君) お答えいたします。 北陸新幹線が全線開業することによりまして本市と京阪神をはじめ首都圏との所要時間は大幅に短縮されまして、本市の立地条件は大きく向上いたします。こうした開業効果を最大限に生かしたまちづくりを行うために、昨年6月、小浜市新まちづくり構想を策定いたしまして基本的な考え方の方向性を取りまとめたところでございます。このまちづくり構想では、新幹線開業による移動時間短縮といったインパクトや技術の進歩を取り込んだ社会の進展といった要素などから小浜市の発展可能性を示しているものでございます。発展可能性といたしましては、市民の皆様の暮らしが向上することに加えまして、移住・定住者の増加といたしまして、小浜市は全線開業によって、移住先として都市住民の方が重要視いたします都市圏から遠過ぎない、自然豊かな地方を満たすまちとなることから、都市住民の移住・定住者の増加が期待できると考えております。そのほか、国内旅行者の増加といたしまして、小浜市は大阪と東京が新幹線で直結することで新たな周遊観光ルートに組み込まれまして、首都圏や関西など広域からの観光誘客が可能となります。さらには、地元産業の活性化といたしまして、沿線諸都市との近接性や交流人口の拡大を生かしまして観光産業や農林水産業をはじめといたしました幅広い産業への波及効果が期待できるものと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 北陸新幹線の全線開業により市民の暮らしが向上し、幅も広がる、そして小浜市の発展可能性に対する効果も期待できるとのことでございますが、11番議員の9月議会の一般質問におきまして、北陸新幹線敦賀以西の課題に対し、谷口副市長は京都市内等の地下水対策や、そして京都駅・新大阪駅付近における施工上の問題等、このような課題を挙げられておられました。また、詳細ルートの公表についても今秋頃と言われておりましたけども、いまだ公表されていないのが現状でございます。 そこで、環境影響評価に対する進捗状況についてお伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 企画部次長、角野君。
◎企画部次長(角野覚君) お答えいたします。 北陸新幹線敦賀・新大阪間につきましては、事業主体でございます鉄道・運輸機構におきまして、詳細な駅・ルートの選定に向けて、新幹線事業が環境にどのような影響が及ぶかについて評価いたします環境影響評価の手続が令和元年度から令和4年度までの予定で進められております。現在の進捗状況は、環境影響評価の項目や方法をまとめた方法書に基づき、騒音・振動調査のほか水環境の調査などに着手している段階でございます。これらの調査結果などを踏まえまして、詳細な駅位置の公表は今秋頃と見込まれておりましたが、京都府内の国定公園内にある一部の地区におきまして環境への影響の懸念から現地調査など環境影響評価に遅れが生じておりまして、公表時期はまだ明らかになっていないというところでございます。 敦賀以西の着工に向けまして課題を議論いたします与党北陸新幹線敦賀・新大阪間整備委員会では、観光影響評価の遅れについて、今のところ2023年度当初の着工に影響はないとしておりまして、今後は具体的な駅位置が明らかになる準備書の公表を経て2022年度内に環境影響評価の結果が公表される予定でございます。 本市といたしましては、丁寧かつ迅速に環境影響評価の手続を進めていただくことが一日も早い着工に結びつくものと考えておりますことから、今後も円滑な調査に協力してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 環境影響評価につきましては、議会としても敦賀・新大阪間の環境影響評価を沿線地域の意見を踏まえながら迅速かつ着実に進め、2022年度末までに終了することの内容で国等に要望しておりますが、今後も本市とともに国や国会議員に対し強く訴えることが重要と思っております。 それと、新幹線の着工においては5条件の早期解決がございます。着工5条件とは、御承知のとおり新幹線を着工するのに、一つ目に安定財源の確保、二つ目に収支採算性、三つ目に投資効果、四つ目にJRの同意、五つ目に並行在来線の経営分離が挙げられます。そして、その中でも2023年度当初の敦賀・新大阪間着工に対し重要となるのが安定財源の確保と言われておりますが、今後国等に対し、小浜市としてどのような取組を考えておられるのか、お伺いをいたします。
○議長(小澤長純君) 企画部次長、角野君。
◎企画部次長(角野覚君) お答えいたします。 2030年度末までに北陸新幹線の全線開業を実現するためには2023年度当初から敦賀・新大阪間におきまして整備を進めることが絶対条件でございまして、2022年末までの間に安定的な財源を確保することが極めて重要でございます。2023年度当初の着工に向けましては、これまでに政府・与党の動きを捉えた中央要望を重ねているところでございます。昨年12月には敦賀開業が1年遅れる見込みとなったことから、この影響を受けることなく敦賀以西を2023年度当初に着工するよう、議会の皆様と、国土交通大臣をはじめ与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム座長などに対して緊急に市議会と合同で強く要望を行ったところでございます。 また、2兆1,000億円とされます建設財源の確保につきましては、今年2月、与党プロジェクトチームの下に早期整備に向けた建設財源などを議論いたします北陸新幹線敦賀・新大阪間整備委員会が新たに設置されました。このことは、敦賀以西の着工に向けて大きな前進であると考えておりまして、今後ともあらゆる機会を捉え国などに対して強く要望を重ねるとともに、関西や北陸地域との連携を深めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) この件に関しましては、国における来年夏の2023年度概算要求が大きなヤマ場とも言われており、私たち小浜市議会としてもあらゆる機会を逃さずに、議長を先導に強く運動を進めてまいります。 それと、昨日の8番議員の小浜線利用促進に対する質問でもございました、着工5条件のもう一つにあります並行在来線の経営分離に対しての問題もございます。この件につきましては私も、昨日の市長答弁にありましたように、旧運輸省の見解を基に、小浜線については特急が走っておらず新幹線と競合しないためJRから経営分離される並行在来線には当たらないとの、このような認識でございました。しかし、先ほど少し紹介させていただきました先月18日に開催しました若狭町議会の皆さんとの意見交換で、若狭町の議員よりJR小浜線の経営分離に対する心配の意見が出ました。そのときに、私の前に質問されておりました17番議員が、国土交通省では並行に走っている線が並行在来線との見解もあるが、JR飯山線、豊野・飯山間が並行在来線に該当しなかった例を挙げまして、沿線地域がやはり国やJRに対してしっかりと大きな声を上げていかなければならないという、このような発言をされておられました。全くそのとおりであり、この件に関しても油断できないのが現状であります。着工5条件については、2023年春までにクリアしなければならないのです。もうあと1年少しであります。そして、このことは沿線である嶺南地域全体の問題でもあります。 そこで、改めて小浜市の並行在来線の経営分離に対する見解をお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 副市長、谷口竜哉君。
◎副市長(谷口竜哉君) お答えいたします。 JR西日本は、現時点で北陸新幹線敦賀・新大阪間の整備に伴いましてJRから経営分離される並行在来線がどの線区になるのかということについて、いまだ言及しておりません。 一方、並行在来線につきまして旧運輸省--現在、国土交通省でございますが--そちらは、新幹線の整備に伴い従前に運行されている特急列車の乗客が新幹線に移る線区という見解を示しているものでございます。このことを鑑みますと、小浜線につきましては現在特急が走っておりませんので並行在来線には該当しないというふうに我々は認識しているところでございます。本市としましては、このことを受けまして小浜線の並行在来線としての経営分離は存在しないというふうに考えておりまして、国などに対し、小浜線は経営分離される並行在来線には該当しないことを確認するよう、求めているところでございます。 なお、先ほど議員からもお話がございましたけれども、市議会におかれましても、JR西日本に対し10月に、小浜線は並行在来線に該当しないことを明らかにすることなどを求める決議書を提出されております。今後も引き続き、市および市議会の皆様と一緒にですね、国あるいはJRなどに対してそれを確認するということを求めてまいりたいというふうに考えておりますので、議員各位の御協力、引き続きよろしくお願いしたいと思っております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) それでは最後の質問になりますが、私たちは新幹線全線開業に対する小浜市の取組も松崎市長によるリーダーシップで大きく進んだと思っております。 敦賀以西着工を目指す2023年度と言えば、本市にとりましても新幹線の整備計画が閣議決定された昭和48年11月から50年目となる大きな節目でございます。そのような点におきましても、明年は本当に大事な年であります。そのような点におきましても、松崎市長の北陸新幹線早期全線開業に対する決意をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(小澤長純君) 市長、松崎晃治君。
◎市長(松崎晃治君) お答えさせていただきます。 北陸新幹線の早期全線開業に向けまして、現在、敦賀・新大阪間におきまして詳細なルートや駅位置の選定のための環境影響評価の手続が進められておりまして、今後は2023年度当初から大阪延伸に着手することが極めて重要であるというふうに考えております。そのためには、最大の課題でございます2兆1,000億円とされる敦賀・新大阪の間における建設財源の早期確保など着工5条件を解決する必要がございます。こうした中、本年2月に与党プロジェクトチームの下に新たに設置をされました北陸新幹線敦賀・新大阪間整備委員会において、早期整備に向けました建設財源の確保など議論が深められているところでございます。 先月9日、東京で開催されました沿線10都府県で構成いたします北陸新幹線建設促進大会に出席いたしました際には、敦賀・大阪間について令和12年度末頃までの全線整備を図ることなどが決議をされました。また、26日に出席いたしました関西広域連合等の関西関係団体が主催いたします敦賀・大阪間建設促進大会におきましても、新大阪まで一気に整備し、一日も早い全線開業を実現することなどが決議をされました。大会の際には、直接、沿線国会議員に対し早期全線開業に向けた要望を行いました。さらに同日、沿線市でございます京都府京田辺市の上村市長と1時間余り面談をさせていただきまして、早期全線開業に向けて連携していくことを確認いたしました。 私といたしましても、これまでに政府・与党の動きを捉えました中央要望を重ねておりまして、先月も上京の際には本県選出国会議員や与党プロジェクトチーム関係議員に対しまして繰り返し要望を行いますとともに、現在の状況について意見交換を行いました。今後とも沿線自治体のほか、関西や北陸地域とも連携を強めながら国・与党などに対し強く要望を重ねてまいります。 また、建設財源の確保には来年夏の概算要求、来年末の予算編成が大きなヤマ場であると考えておりますことから、敦賀以西の2023年度当初の確実な着工による北陸新幹線全線開業の一日も早い実現に向けまして引き続き全力で取り組んでまいりますので、市議会の皆様方および市民の皆様のさらなる御支援、御協力をお願い申し上げたいと存じます。
○議長(小澤長純君) 13番、下中雅之君。
◆13番(下中雅之君) 行政・議会・市民が一丸となって北陸新幹線の早期全線開業を勝ち取る決意を確認し、私の一般質問とさせていただきます。
○議長(小澤長純君) ここで、換気・消毒のため5分程度休憩いたします。 午前11時35分休憩 午前11時39分再開
○議長(小澤長純君) 再開いたします。 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 5番、おばま未来の熊谷久恵です。議長のお許しをいただきましたので、発言通告書に基づき一般質問をさせていただきます。 令和2年から3年にかけてのコロナ感染拡大において、飲食業界、観光業界などは経済的な打撃を大きく受けた期間であり、感染者が減少している今でもその影響は決して回復したとは言えないと思います。政府が要請した外食産業などの営業自粛は米の需要低下となり、併せて米価が下落という米の生産者にとっては水稲だけでは生活できない、収益を得られない現状に陥っています。福井県においても、今年度は福井県産いちほまれも在庫を抱えることになり、飲食業界へ福井県産食材のPRキャンペーンと称して配布いたしました。しかし、この無料配布キャンペーンの実施が農家にとって弊害となっていることは紛れもない事実であり、通常販売していた米の流通が一時的にストップしてしまうという事態を招いています。また、国も米の余剰状態が続く以上、生産調整に入らざるを得ない状況とのことです。 小浜市が進めている農地集積は、水稲に代わる作付がなければ、大規模法人化したことにより雇用者を抱えながらの経営が厳しい状況になるのは必至で、水稲に代わる生産対策が求められることと思います。短絡的ではなく、様々な関係性を俯瞰しつつ持続可能な対策が必要と考えることから、本日は件名1で小浜市の農業生産性の向上について、件名2で小浜市の誇る校区内型地場産学校給食について、件名3で地域内経済循環について、件名4でこれからの食のまちづくりについて、今回の質問をさせていただきます。今回の質問の背景は、食のまちづくり条例制定20周年を迎え、日本でいち早く制定し食のまちづくりの先進を行く小浜市において、課題である少子高齢化が進む中、今後の一次産業の促進をどのように考えるか、地産地消による地域内経済循環を求める中でどのような対策ができるのかという視点で質問を進めていきたいと思います。 それではまず件名1、小浜市の農業生産性の向上についてですが、少子高齢化が顕著で担い手不足に苦慮している、この小浜市における農業の現状についてお尋ねしたいと思います。農業団体および個人農家の数と水稲の作付面積についてお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、田中君。
◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。 1年間の作付計画や各種交付金の支払い、水稲共済の引受けなどの基礎資料となります令和2年度の営農計画書および水稲実施計画書によりますと、株式会社や農事組合法人などを含む農業団体が15団体で、水稲作付面積は378ヘクタールでございます。個人農家が737人で、水稲作付面積は575ヘクタールとなっております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) ありがとうございます。 株式会社や農事組合法人、そしてまた個人農家の作付面積がありました。両方を合計すると953ヘクタールということを理解いたしました。この数字を反計算に直すと、小浜市の水稲は9,530反ということになるかと思います。このうち全体の5分の3が農業団体として集積化が進んできているということでよろしかったでしょうか。 では次に、直近5年間の生産量と価格の推移のほうをお願いいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、田中君。
◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。 北陸農政局が発表しております福井県の水稲収穫量の推移および作柄概況によりますと、直近5年間の小浜市の水稲収穫量は平成28年が4,540トン、平成29年が4,420トン、平成30年が4,530トン、令和元年が4,390トン、令和2年が4,520トンでございまして、年ごとにばらつきはあるものの、10アール当たりの収量と10アール当たりの平均収量の比率で作柄のよしあしを示す作況指数はいずれも平年並みの100程度でございまして、ほぼ安定しております。 一方、農林水産省が発表しております福井県産コシヒカリ60キログラム当たりの相対取引の平均価格は平成28年が1万4,930円、平成29年が1万5,964円、平成30年が1万6,145円、令和元年が1万6,345円と年々上がっておりましたが、新型コロナウイルスが発生し感染拡大などで外食産業が低迷いたしました令和2年が1万5,602円、令和3年は10月の速報値でございますが1万3,793円と2年連続で価格が下落しております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 小浜市における水稲の収穫量については5年間平均して大差がないようですので、令和2年の4,520トンを参考に、先ほどありました9,530反、小浜市の作付面積で割りますと、1反当たりの収穫量は約474キログラムとなり約7.9俵という計算になるかと思います。これを福井県産コシヒカリの平均価格で積算すると、一番高いときで1反が約12万9,125円、令和3年の10月の速報値では1反が約10万8,964円となり約2万160円の差額が出てくるかと思います。これが例えば100ヘクタールの大規模集約圃場であれば1,000反ということですから、令和元年から考えると約2,000万円の減収というような形になると思います。 農産品は、農家が手間暇かけて生産し収穫しただけではなく、その生産物が販売されて、売れて初めて収入となるわけです。価格が下がるということは、大規模になればなるほど生産者にとっては死活問題です。しかし、米の需要が下がっている今、コロナ禍で宿泊業や飲食業の営業自粛等もあり大幅な余剰在庫となり、国も生産調整の方向を示唆しています。今後、米の余剰が続くと何らかの対策が必要と考えますが、小浜市としてはどのように考えておられるのか、その方針をお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、田中君。
◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。 食生活の変化や少子高齢化によりまして米の消費量は年々減少傾向にあることから、市といたしましては米の需給と価格の安定を図るため飼料米などへの転換を推進してまいりました。特に、昨年度は米の在庫量の増加や新型コロナウイルス感染拡大の影響で米価の下落が予測されたことから、JA福井県若狭基幹支店と連携いたしまして、営農座談会などの機会を捉え、国の補助金などの活用により主食用米と同等程度の収入が確保できるということなどを説明しまして、農業者に飼料米等への転換の周知に努めてまいりました。その結果、令和3年につきましては特に飼料米に転換する農家が増加いたしまして、飼料米の作付面積は前年の約32ヘクタールから約3倍の約90ヘクタールと大幅な増加となりました。また、JA福井県におきましては、販売先に積極的な営業活動を行い在庫米の解消に努力しているところでございます。 市といたしましては、コロナ禍の長期化により外食産業への農産物の仕入れの減少は当面続くであろうとの予測から、本年9月に農業経営の安定化を支援するため収入保険の掛金の一部を補助する制度を創設いたしました。今後も農業者の御意見を伺いながら、国や県の動向を注視いたしまして、補助制度などを最大限活用しながら農業者の経営安定と所得向上に努めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) JA福井県も販売先への営業に尽力いただいていることと思います。しかし、全国的に余剰状態であるのですから、米としての販路新規開拓というのはなかなか厳しい市場だと推察いたします。 しかし、近年は飼料米への転換もあり今年は昨年の3倍の約90ヘクタールということでしたね。それも一つの方法だと思います。畜産業も、国産と言いながら餌となる飼料は外国産が主体ですから、飼料から国産で賄えるというのは一つの方法だと思います。しかし、生産者さんは「補助金があり、生産価格が確約してもらえるから作れる。けれど、この飼料米が本当によいかというと、そうはなかなか思えない。税金で動物の餌を作るのも一つかもしれないが、やはり地域の人に食べてもらいたいし、皆が喜ぶおいしいものを作りたい。そして、それが収入につながるのが一番よい。」とおっしゃっておられました。 市としても、コロナ禍の長期化により外食産業への農産物の仕入れの減少は当面続くとの予測を立てておられるのであれば、その他の何らかの抜本的な対策が必要になってくるというのは感じておられるところだと思います。 それでは、水稲以外の作物についてはいかがでしょうか。小浜市における直近5年間の生産量の推移をお願いいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、田中君。
◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。 JA福井県若狭基幹支店の市内園芸作物の出荷状況によりますと、出荷量の多い上位10品目では、平成28年の387.5トンから令和2年は476.4トンと年々出荷量が増加しております。特に、先端技術を活用しました大規模園芸ハウスの整備によりまして、トマトや青ネギが、また加工用にも使用でき市場ニーズの高いキャベツやタマネギの生産量が増加しております。また、小浜中央青果の出荷状況におきましても、トマトやキュウリの生産量が増加しているところでございます。 一方、水田での作付が可能な麦・ソバ・大豆は平成28年が177トン、平成29年が140トン、平成30年が54トン、令和元年が144トン、令和2年は121トンと減少しております。本市は冬季の日照時間が短く、土壌も粘土質で湿害の発生しやすい地域であることから、園芸作物の作付を阻害し、また麦・ソバ・大豆をはじめとした高収益作物などの作付による水田の有効活用が図られないということが課題でございます。 しかしながら、現在農地の集積率が堅調に伸びていることに加えまして、本年度以降も農地の集約・集積、土地改良を開始する予定となっている地域も複数ございます。これらの現状を踏まえまして、排水対策を呼びかけつつ園芸品目や麦・ソバ・大豆などの作付を推進し、条件不利地におきましては、加工・備蓄・飼料米などを作付するなど水田の有効活用を図りまして農業者の経営安定を図ってまいります。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) ありがとうございます。 数値が合算であると、それぞれの小浜市における自給率を分析することはできないんですけれども、ここから分かるのは、先端技術を活用した大規模園芸ハウスにより生産された農作物や加工用にも使用できる市場ニーズの高い農作物の生産量が増加をしているということだと思います。この地域は土壌も粘土質で湿害が発生しやすいので、なかなか作れる野菜がないというのは農家さんのほうからもお声が上がっておりました。しかし、県立大学の農学科の教授にお尋ねをいたしますと、そのような水分の多い粘土質の土壌であれば、里芋がよいのではないかとのことでした。 また、麦、ソバ、そして大豆をはじめとした高収益作物等の作付による水田の有効活用が図られないことが課題とのことですが、土壌調査などはされてはいないのでしょうか。土地改良し、排水施設を整備していくことも効果的だと思います。しかし、費用がかかることなので設備投資のハードルもあると思います。だからといって、粘土質だから園芸作物は出来ないで終わってしまうのではなく、どのように土壌改良すれば可能なのか、圃場カルテなどを作成し水田の健康状態が分かるようにすると生産性向上にもつながるのではないかと考えます。粘土質の改良には川砂がよいという所見もあるようです。勝手に川砂を採取するということはできませんけれども、北川や南川はしゅんせつにより川砂が費用をかけて排出されています。土壌改良に有効活用ができれば、それぞれの費用がかからず経済的かつ効率的ではないでしょうか。建設時の造成では半径10キロ以内であれば、たしか無償で運搬していただけるというふうに聞いております。課をまたぐことになるので、横の連携を取ってタイミングを合わせると費用を抑えてできることもあると思いますので御検討ください。 今後の国の米の生産調整は、収益に大きく影響してきます。作付しても完売することで初めて収入につながる農業者さんたちにとって、販路という出口が見えないという状況での新たな作付はハードルがとても高いのです。 小浜市は今年、食のまちづくり条例制定20周年です。地産地消は、条例にも明記し長く計画にも盛り込まれてきました。こちらの小浜市元気食育推進計画のほうにもございますし、また今年から始まりました第6次総合計画のほうにも地産地消でというのは書かれております。今パブリックコメントを募集している環境基本計画案においても、計画の中に表記されています。 それでは、これまでどのように地産地消を進めてこられたのか、そこをお尋ねしたいと思います。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、田中君。
◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。 本市では、小浜市食のまちづくり条例におきまして、取り組むべき食のまちづくりの基本理念や基本的施策を明らかにしております。本条例では、人は「その土地で生産されたものを食することが最も身体に良い」という身土不二の考え方や、「地元で生産されたものを食する」地産地消などの用語を定義し、基本理念としてそれらの奨励による市民の皆様一人一人の健康が維持されることを掲げております。 産業面では、食を活用することにより、小浜市の産業全体が発展することを基本理念とし、基本的施策として「市民は、小浜市の産業の振興のため、若狭地域で生産し、または加工された食その他の製品の利用に努めるものとする。」としております。これらを具体的に推進するため、本市ではこれまで各世代を対象に地場産食材を活用した多様な料理教室の開催や食育講座の開設、市内全小・中学校における地場産学校給食の実施など生涯食育事業の推進に取り組むとともに、産業面におきましても、地産地消を進める事業者を支援し地元産品を提供する店の拡大を図るなど、地域の農林水産業、加工・流通業、飲食業など食に関わる人々がつながり地産地消が進むよう取り組んでおります。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) ただいま答弁いただきましたように、今までも大変多くの方々が地産地消に取り組んでくださっているということだと思います。ですが、どこまで浸透しているかというところが数値で市民に見えてこないですね。小浜市の食のまちづくり条例は全国に先駆けていち早く制定されています。計画でも地産地消を推進しているのですから、やはり数値で地産地消の状況の把握が必要だと思います。自給率もですが、まず現状の認識ができないと評価・分析ができませんし、意識的に把握することで効果的な対策に結びつくのではないかと考えます。ぜひよろしくお願いいたします。 そして、野菜の収穫というのはいっときに集中します。しかし、保管状況がよければ鮮度を保ちながら長期間保管できるようにもなります。 問4では、地元生産品を無駄なく販売するには消費期間を長くするための保管施設が必要であると考えますが、その可能性についてお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部次長、田中君。
◎産業部次長(田中正俊君) お答えいたします。 食に対する安全・安心への意識の高まりによりまして、鮮度保持や衛生管理に関する消費者ニーズは高くなっております。特に生鮮食料品は、収穫後すぐに低温貯蔵すれば品質の悪化を最小限に抑えることができ消費期間を長くすることができることから、廃棄する量を抑制することができると考えられます。 一方で、費用対効果の観点から、施設を整備するには保管する生鮮食料品が一定の量であることが必要であり、大型冷蔵庫などには多額のイニシャルコストがかかるとともにランニングコストも含め価格に上乗せし販売することができるかといった課題がございます。これらの施設を具体的に検討するには、保管施設を運営し流通や販売を担う事業者が持続可能な経営ができるよう、施設整備後の収支計画などの精査も必要となってきます。 市といたしましては、農業者および事業者の御意見を伺いながら、保管施設の必要性も考慮しつつ農業者の経営安定と所得向上に努めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 保冷施設や乾燥施設などがありますと、保存期間の短い野菜も長期間の保存が可能となりバランスのよい販売につなげることができます。タマネギ等は、高温になると生産量の10%は傷みが出て廃棄になってしまうとのことです。環境基本計画案の中では、食品ロスの課題も上がっていました。 1団体で小規模な運営がいいのか、複数の団体が生産品を集約すると案分できコスト的にも見込みができてくるのか。小浜市の自給率や地産地消率の向上、小浜市の農業生産性の向上に向けて農業者や関連機関との連携の下、検討いただきますようにお願いいたします。
○議長(小澤長純君) 休憩いたします。午後は1時再開いたします。 午後0時5分休憩 午後1時00分再開
○議長(小澤長純君) 休憩前に引き続き、一般質問を再開します。 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) さて、先ほど地産地消の取組の中に、市内全小・中学校における地場産学校給食の実施がありました。給食調理事業はコロナ禍においても必要な事業であるため、地産地消がしっかり行われているところであると思います。 では、件名2の校区内型地場産学校給食について質問を進めたいと思います。地場産学校給食について、地場産率と給食調理で使う食材の確保方法についてお伺いいたします。
○議長(小澤長純君)
教育総務課長、内田君。
◎
教育総務課長(内田靖彦君) それでは、お答えをいたします。 本市の豊かな自然と水で育てられた地場産の食材を使う自校式の校区内型地場産学校給食は、全国に誇れる食育の取組であると考えております。 学校給食食材として使用する農産物のうち小浜市内産の割合は、全体の約60%でございます。内訳といたしましては、米については100%、旬の時期を中心に使用するネギ・キュウリ・大根・白菜については60から70%、年間を通じて使用するキャベツ・タマネギ・ジャガイモについては25から35%が市内産の物でございます。 また、食材の確保については、各学校が学校給食で使用する食材ごとに対応可能な校区内の農家や市内業者と協議し、必要な食材の量を希望する日・時間に納入していただいているところでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) さすが校区内型の地場産学校給食を提唱しているだけあり、しっかり把握されておられるところですね。米の地産地消率は100%、これはすばらしいと思います。そして、ネギやキュウリなど大規模園芸ハウス栽培だと思われますが、地産地消が安定するということでしょうか。 地場産学校給食を続けるに当たりまして、これからも課題というのはあると思いますが、今後の課題というのをどのように把握されておられるのか、お尋ねをいたします。
○議長(小澤長純君)
教育総務課長、内田君。
◎
教育総務課長(内田靖彦君) それでは、お答えをいたします。 学校給食の食材を校区内の生産者から優先して購入いたします校区内型地場産学校給食は、校区内で収穫した食材を調理した給食を児童・生徒が食する地産地消の取組であるとともに、生産者との交流活動を通じて地域とのつながりを認識し郷土愛を育む重要な学びの場であると考えております。 しかしながら、地場産食材を提供しております生産者は、高齢化や後継者不足などから、これまでと同様に学校へ納入を続けることが難しくなってきております。校区内型地場産学校給食を持続可能なものとしていくためには、個人の力量に頼ることや生産者に負担がかかっている状況では難しいと考えております。本市では、小浜市元気食育推進計画の中でも位置づけている一次産業の活性化策として、担い手が意欲を持って農林水産業に取り組める環境を整備しているところでございますが、生産者が地域の中で役割を分担しながら地域全体で体制を整えていけるよう、生産者を含む関係機関で構成する小浜市食育推進会議などで議論してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 校区内型地場産学校給食、これは小浜市の食のまちづくりとして継続していきたい気持ちは大変よく分かります。ある意味、今までこの校区内で継続できてきたことが奇跡に近いのかもしれません。提供くださっている農家さんに本当に頭が下がる思いです。もちろん、提供してくださる方がいらっしゃる場合は、ぜひ校区内でよいと思います。しかし、生産者の高齢化や後継者不足を課題と認識してるのであれば、本当に大事にしていかないといけないのは何なのかというところを考えるときが来ているのかもしれません。校区内の農家にこだわるのか、小浜市内の地場産品なのかというところだと思います。 食材の確保は、各学校が校区内の農家さんや市内業者と協議して納入してもらっているとおっしゃいました。例えばタマネギなどは生産量が多くありますが、校区内の小学校だけの納入になっていて他の学校の担当者とタマネギ農家さんとの接点がないので、小浜市内の地場産品であっても納品はされていないということになります。先ほどは25%とおっしゃいました。学校給食は各学校から発注となっていますが、情報が共有できるような環境か取りまとめるプラットフォーム等があるとよいのではないかと思います。小浜市食育推進会議があるとのことですので、情報を共有しながら、さらに地場産率の向上につなげていただきたいと思います。 公の機関である学校給食ですが、年間どれくらいの食事の提供をしているのでしょうか。昨年は学校が一時閉校にはなりましたが、タブレット導入などにより、今後はコロナ禍でも閉校になることはなく給食の提供は実施されるのではないかと考えております。学校給食の総数と給食調理で使う食材の総量についてお尋ねしたいと思います。
○議長(小澤長純君)
教育総務課長、内田君。
◎
教育総務課長(内田靖彦君) それでは、お答えをいたします。 学校給食は年間190日実施しておりまして、食数は小学校では1,640食、中学校では800食を日々提供しております。 また、給食食材の使用量は、小・中学校全体で年間、米は3万5,000キログラム、主な野菜といたしましてタマネギが約1万3,000キログラム、キャベツ・ニンジンがそれぞれ約9,000キログラム、ジャガイモが約7,000キログラム、大根が約4,000キログラム、コマツナが約2,500キログラム、ネギが約2,000キログラム、白菜が約1,500キログラム、キュウリが約750キログラム、ナス・ピーマンがそれぞれ約500キログラムでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 給食の提供総数は、小・中学校合わせて年間46万3,600食になります。使用する食材の量も大変多くなります。給食食材という出口があるのであれば、農業者さんも新規生産への参入する意欲が湧くのではないでしょうか。 地場産の生産量が少ない年間通しての食材である、例えばニンジンやジャガイモ、コマツナやナス、ピーマン等、農家さんへ生産依頼するという方法もあると思います。これは農政課になると思いますが、生産する野菜に適した土壌はどこか、また適した改良は何かというのを普及指導いただくとよいと思います。そのような視点もあると、生産調整の今後の未来につながるのではないでしょうか。 次に、学校給食の経費についてですが、学校給食の単価と内訳についてお尋ねいたします。
○議長(小澤長純君)
教育総務課長、内田君。
◎
教育総務課長(内田靖彦君) それでは、お答えをいたします。 学校給食の食材は、学校給食法に基づき学校給食費として保護者の皆様からの負担により賄われております。 給食1日当たりの平均単価は小学校では247円、中学校では288円となっております。また、単価の内訳は小・中学校の平均単価267円の場合、ご飯などの主食で28円、おかずなどの副食で184円、牛乳で55円となっております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 牛乳を学校給食に取り入れていることについてお尋ねをいたします。
○議長(小澤長純君)
教育総務課長、内田君。
◎
教育総務課長(内田靖彦君) お答えいたします。 学校給食は、国が定める学校
給食実施基準に基づきまして、児童・生徒が1回当たりの給食で必要な各栄養素の摂取基準値を満たせるよう、献立に反映させて実施をしております。 牛乳は、給食で200ミリリットル飲むだけで国が示す小学校高学年から中学生が学校給食で摂取すべきカルシウムとビタミンB2をそれぞれ約55%を摂取することができ、児童・生徒の健やかな成長などに大きく寄与しております。また、牛乳をほかの農水産物等の食材に置き換えて同等の栄養素を摂取しようとしますと多くの食材が必要となることから、コスト面においても効率的な取組であると考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) カルシウムの摂取という観点から小浜市の学校給食における魚の地場産率はどうかと思っておりましたら、昨日3番議員の答弁にもありましたが、魚は週に1回は出ており--月4回程度ですね--地場産率はそのうち35%ということでした。 野菜においても、コマツナにもカルシウムがありますし、また学校給食でも採用されていたケールパンございましたね。ケールには牛乳の2倍のカルシウムとビタミンB2、そしてカルシウムの沈着を助けるビタミンKも含まれる骨や健康に係る大事な栄養素が取れる野菜で、ケールのほうは小浜で生産されていますね。 牛乳を全て変更と言っているのではなく、県の教育庁保健体育課においても、牛乳を月1回や週1回程度地場産の栄養素が同等の食材に置き換えることは、完全給食から外れるわけではないとのことでした。 牛乳は、給食費の5分の1の価格です。福井県内には生乳業者がないので、小浜市の場合は滋賀県の事業者から牛乳が届いているようです。地場産・地産地消は生産者の出口にもなります。もちろん栄養価やコストは重要です。しかし、学校給食の献立を作る際に、学校給食は地域内の経済循環にも大きな役割を担う位置づけであるという視点も持って献立を立てていただければと思います。 また、学校給食は、各学校の調理員さんがいなくては安心した給食の提供はかないません。限られた時間で調理してくださる調理員さんがいらっしゃるからこそ、児童・生徒はおいしく栄養価のある給食が頂けます。 そこで、調理員さんの人員についての現状をお尋ねいたします。
○議長(小澤長純君) 教育総務課長、内田君。
◎教育総務課長(内田靖彦君) それでは、お答えをいたします。 現在、小学校においては35名、中学校においては16名の調理員が学校給食に従事しております。 中学校2校については、令和2年8月より業務委託を導入し、これまで中学校で従事していた給食調理員を小学校に再配置したことによって給食調理員の不足は解消され、安定的な給食の提供が維持できているものと考えております。委託業者は県内他市で学校給食調理業務を請け負っている実績がありまして、委託業者の現場責任者や栄養士などの指導の下、地元で採用した調理員と連携して給食調理に当たっております。また、本市の栄養教諭の作成いたしました献立や調理の指示に基づきまして、委託業者が地場産食材などの発注・調理・配膳を行っております。直営で実施している小学校と同様に、本市の方針に沿って学校給食を提供しているところでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 人員が定数確保されているということ、また中学校が業務委託となりましたが、地場産食材を採用し直営と同等ということで大変安心をいたしました。 今回、小浜市内の病院や介護施設、障がい者施設、養護学校など市内の給食の提供状況を調べていく中で、調理員が必要な施設がこんなに多いことに驚きました。 例えば管理栄養士であると19名、栄養士で13名、調理師が79名、調理補助として39名、調理員の人材不足などにより調理済給食の購入をせざるを得ない民間施設や病院などもありました。今後の給食調理業務を考える上で、小浜市としても俯瞰して小浜市全体の調理に対する作業軽減を考える必要があるのかもしれません。 次に、件名3として、地域内経済循環について、コロナ禍においての交流人口が閉ざされた状況の中でも、皆がよりよい生活を永続的に続けていくには地域内の経済循環が強みとなります。 これまでの食・地域創生戦略室の取組についてお尋ねしたいと思います。
○議長(小澤長純君) 産業部長、前野君。
◎産業部長(前野浩良君) お答えをいたします。 食・地域創生戦略室は、地域産業の活性化に向け、食に関わるあらゆる産業が外貨を稼ぐ基盤産業に成長することに加え、稼いだ外貨を地域内で循環させる地域内経済循環の仕組みづくりに取り組んでおります。 令和6年春の北陸新幹線敦賀開業を見据え、食による交流人口の拡大を図るとともに、農山漁村の資源を活用しその効果を農林水産業に波及させるため、これまで内外海地区活性化計画に基づく海のオーベルジュ志積の整備を支援したほか、多くの観光客が立ち寄る道の駅の旧四季菜館リニューアル工事を進め、地元農産物をふんだんに使ったレストランおくどさんを整備いたしました。いずれの施設も生産者や加工・流通業者と連携しまして、地域色の強い品質や鮮度にこだわった農林水産物とその生産者にスポットを当て、小浜の食を楽しむ施設でありますとともに、本市の強みである食による地域経済循環のモデル施設となっております。 また、今年度は生産者と飲食店や消費者を結ぶツールとなる生産者カードを作成するほか、ブランド養殖魚等の新たな販売形態による販路拡大、おうちでごはんテークアウト事業では地元産品を使ったメニューを開発し提供するなど、地場産品の地域内循環に取り組んでおります。 一方、昨年ミシュランガイド北陸2021特別版が発刊され本市から7店舗が掲載されましたが、これは地元食材を活用した料理やそれを提供するサービスが評価されたものであり、本市が長年食のまちづくりとして食の大切さを伝える生涯食育や食文化の継承、食関連産業の振興等に取り組み、事業者の皆様にも共感・協力いただいている結果と捉えております。 来年度は、道の駅に地元野菜を取り扱う直売機能を含めたスペースの増設を予定するなど、今後もさらに、豊かな自然とその恵みである地元産品を提供し生産者の顔や思いを伝えることができる施設や店舗を広げていくことによりまして、観光客の満足度と生産者の所得向上を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 食・地域創生戦略室が、食に関わる地域産業の活性化ということで外貨を稼ぐというところに力を注いできたことが分かりました。来年度予定している道の駅に増設予定の地元野菜の直売スペースも外貨を稼ぐということですよね。しかし、観光客の満足度アップももちろん必要なんですけれども、そこに必要なのは生産物、つまり生産者の確保が必要不可欠であり、生産者が事業継続していただくためには、販路の確保というのはもちろんのこと、生産者の所得向上が両輪でなければいけません。食品の単価は決して高くはありません。直売スペースで売れる数はどの程度見込めますか。このスペースや飲食店で生産者は経営が成り立つのでしょうか。地域内経済循環の仕組みをつくるには、安定して供給できる出口が必要だということです。 学校給食や介護福祉施設、病院などの給食提供事業は、およそ、今回調べましたところ、合計で年間174万2,800食が年間を通して食事提供されています。このうち公立の小・中学校、保育園、養護学校については約76万食になっております。こちらは、できる限り地場産を採用した自校給食です。小浜病院は、令和2年4月から調理員の確保ができず、調理済給食のケータリングとなっています。介護や障がい者施設は民間ですが、可能な限り地産地消を意識してくださっておられる所もあります。ですが、調理員など人材確保がかなわず、致し方なく大手業者への外部委託でお願いしている所もあります。ここも人材不足が課題です。 また、生産者と飲食店や消費者を結ぶツールとなる生産者カード--先ほど作成される予定というお話でしたが--こちらは非常にいいと思います。地域の生産者を知るという意味では、こちらも小・中学校でも活用できるといいんではないでしょうか。 一次産業を取り巻く環境は厳しいですが、農業者人口や年齢はどのようになっているか把握されておられますでしょうか。
○議長(小澤長純君) 産業部長、前野君。
◎産業部長(前野浩良君) お答えをいたします。 農林業センサスによりますと、本市の農業就業人口は、平成7年には1,955人でありましたが、平成27年には645人と20年間でおおむね3分の1に減少しておりまして、そのうち77.8%が65歳以上と福井県の76.5%、全国での63.5%と比べても高齢化が進行しております。 中山間地域であります本市は、多くの地域が条件不利地に位置するなど農業を取り巻く環境が厳しい状況にありますことから、これまで農業法人の設立、また農地の集約・集積、獣害柵の整備、土地改良の実施、スマート農業の実証など農業経営の収益性向上に必要な環境整備にも取り組んでおります。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 生産者の生産意欲を高めるには、販路を確保することが重要だと思います。 先ほど述べた給食事業は、今後も調理員不足は否めません。であれば、作業手間を省ける野菜の洗浄とカットまでを行う一時加工施設や魚の加工施設などがあると農業者も納品先が一元化しますし、仲買さんがカット野菜など加工した物を学校や各施設へ配達していただくなどという方法もあるかと思います。 何より、杉田玄白記念と冠につく公立小浜病院が身土不二・医食同源と言われる食事の提供を、地元の食ではなく調理済みの食を購入して提供しているというこの現状を私は改善したいんです。管理栄養士6名、栄養士7名、調理師12名、調理補助員が6名、これだけの人数が確保できれば、以前のように病院内において調理が提供できるというふうにおっしゃっております。しかし、あと栄養士4名、調理師6名が確保できないため、安全に食事を調理して提供できないということなので仕方がないのです。小浜市の現状からどこも調理員の人材不足なのですから、何かを集約して作業量を軽減して小浜病院に栄養士・調理師を確保して、再び小浜病院で調理・提供する形に戻していきたい。そのための一時加工施設です。 その可能性についてのお考えをお尋ねいたします。
○議長(小澤長純君) 産業部長、前野君。
◎産業部長(前野浩良君) お答えをいたします。 食の安全・安心に関します意識の高まりを背景に地元産に対する消費者ニーズは一定程度うかがえることから、市民が安全・安心な地元産品を購入できる機会や場を増やすことは重要であると考えております。また、北陸新幹線敦賀開業を控えた観光消費や社会情勢・消費者ニーズ等の変化に対応する中食など、今後さらに農林水産物の需要が拡大すると見込まれる分野に地元産品の供給拡大や利用促進を図ることは、地域経済活性化に必要な取組であるとも考えております。 本市では、水産業においては、小浜よっぱらいサバや若狭マハタなどブランド養殖魚の生産・販売の拡大を、また農業においても、農地の集積・集約化や先端技術を活用した大規模園芸ハウスによる野菜の生産拡大を、これらを行政と民間事業者が連携して取り組んでおりますが、近年の天候不順等で供給が安定するまでには至っておりません。 農林水産物の一次加工を整備するには、まずは市場のニーズの把握や一次加工に取り組む意欲のある事業者がいることが重要でありまして、その上で供給できる地元食材の生産量、供給できなかった場合のバックアップ体制、多くの施設に提供できる品目の企画・製造・流通上の課題の検証が必要と考えております。市としましては、農林水産業関係者や流通販売事業者の御意見を伺いながら地元産品の供給拡大や利用促進を図るための施策を推進しまして、食関連産業の地域内経済循環に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 農地集約した場合、生産調整などは規模が大きいだけに影響も大きくなります。コロナ感染拡大で観光が水物であることが大変よく分かりました。今までとは状況が違うのです。まず、作ってくれる生産者がいなければ、私たち消費者は買うことも食べることもできません。必ず買うという担保があれば、生産者も作ることに全集中してくださるのではないでしょうか。 多課にまたがる組織編成の食・地域創生戦略室だからこそ、産業部長をトップにまず地域でしっかりと農産品の販路を確保し、その上で観光需要を求めるとより骨太な施策になるのではないかと考えます。 最後に、件名4として、これからのまちづくりについて質問を進めたいと思います。 平成16年12月1日に御食国若狭おばま食育文化都市を宣言しています。小浜市の食のまちづくりと食育文化都市の関係性をお伺いしたいと思います。
○議長(小澤長純君) 企画部次長、中田君。
◎企画部次長(中田典子君) お答えいたします。 小浜市は2000年に、食を核としたまちづくり、いわゆる食のまちづくりを開始いたしました。食のまちづくりでは当初より食育を重要視しており、幼児の料理教室の開催や小・中学校での食育の推進をはじめ、全世代を通じた生涯食育の推進など、施策の積極的な推進に努めてまいりました。 このような中、2004年に、子供たちをはじめ全ての世代が食を通じて育まれること、食を通じて伝承料理をはじめ食と結びついた地域文化を継承・発展していくこと、また市民自らがそのことに誇りを持ち、食のまちとしてさらなる特色の創出や発展していくことなどをうたい、食育文化都市宣言を行いました。その宣言の趣旨を踏まえ、これまで食のまちづくりの全体計画として、小浜市元気食育推進計画により健康づくり、教育--人づくり--、食文化の継承、産業の活性化の4分野におきまして食育による人づくり・まちづくりに精力的に取り組んでいるところでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 市民の認知度はいかがでしょうか。ホームページの市の概要欄を見ても、この食育文化都市宣言という表現が載っていないように思います。宣言の趣旨を踏まえまして元気食育推進計画を立てて各施策を行ってきてるのであれば、もっと露出をして市民に伝わるようにする必要があるのかもしれません。作って終わりではやはりもったいないと思います。 全国の他の自治体でも様々な取組をされている中、隣の滋賀県草津市では自らの健康により幸せが感じられるまちを目指して健幸都市宣言を提唱しています。健幸というのは、健やかに幸せな都市宣言です。市民が幸せを感じるためには、健康と経済の両立化が不可欠だと考えています。 元気食育推進計画は今年改正となるため検証をさらに改善していっているところだとは思いますが、産業の活性化の分野で、特に一次産業の取組が弱かったと感じております。これからは地域内での経済循環がまずベースにあり、その上で観光産業だと思います。 これからの食のまちづくり、市長はどのようにお考えなのかお願いいたします。
○議長(小澤長純君) 市長、松崎晃治君。
◎市長(松崎晃治君) お答えいたします。 小浜市は、さきの答弁のとおり、食育による人づくり・まちづくりを目指しまして、健康づくり、教育--人づくり--、食文化の継承、産業の活性化の各分野について、市民協働により積極的に取り組んでまいりました。それらは、和食のユネスコ無形文化遺産登録への貢献、それから御食国若狭と鯖街道や北前船寄港地・船主集落の日本遺産認定、ミラノ万博への出展、SAVOR JAPANの認定など、国や世界の重要な節目で存在感を発揮しながら着実に成果を積み重ねてまいりました。さらに近年では、産業の活性化を重点テーマとし、市民を対象に構築してきた食育事業の中で農業・漁業体験や調理体験、工芸体験などの特徴ある事業を食育ツーリズムとして教育旅行や観光旅行の体験メニューとして提案し、国内外の多くの観光客を受け入れ、観光産業の活性化につなげてまいりました。 また、小浜市が活用すべき資源は歴史と伝統を誇る食であると考え、農林水産業におけるIoT等の先端技術を活用した作業の省力化や生産の効率化、小浜よっぱらいサバに代表される養殖技術の確立や付加価値向上など食に関わる産業の基盤産業化に加え、地元食材を活用するレストランの整備など、稼いだ外貨を地域内で循環させる地域内経済循環の仕組みづくりにも取り組んでまいりました。このような取組によりまして、市内のレストラン等7店舗がミシュランガイド北陸2021特別版に掲載されるほか、市内のスーパーに地元食材のコーナーが増設されており、これらは食のまちづくりを20年間継続してきたことによる市民や事業者の意識の変化によるものであると考えております。 今後は、今年度に策定いたします新たな食育推進計画におきましても、これまで標榜してまいりました生涯食育や義務食育の考え方による市民の健康づくりや人づくりなどの個人に対する食育に加え、産業面での担い手の育成や地産訪消・地産地消などによる地域内経済の循環の取組等の地域経済のための食育の両輪によりまして、さらに地域経済への波及効果を加速させていきたいと考えております。 全国に先駆けまして食のまちづくりに取り組み、その中において食育文化都市を宣言した本市におきましては、今後も食のまちづくり全体計画としての食育推進計画に基づき各事業を研き、高いレベルで展開するとともに、これまで重要視してまいりました市民協働の手法を用い、持続可能な食のまちづくりとして次世代につなげていきたいと考えております。
○議長(小澤長純君) 5番、熊谷久恵君。
◆5番(熊谷久恵君) 人は、食べなければ生きていけません。食べた物で体がつくられていきます。元気で長生きできるのは、食べる食を選ぶことからなのかもしれません。 先月あった食のまちづくりを考えるシンポジウムで、御食国大使で食文化館の監修をされている奥村彪生さんが「わしはお総菜屋さんや。今はみんな忙しい。ゆっくり作っとる時間もない。だから、手に取るお総菜を無添加で体にいい物を作って提供している。」とおっしゃっておられたのが印象的でした。小浜市は共働き率が高く、仕事から帰ったらどれだけ短時間で食事を作れるかが勝負です。そんな人にこそ栄養のあるものを食べてほしいと、働くお母さんの気持ちに立った奥村さんのお総菜、これが小浜にもあればいいなっていうふうに思いました。「人の味覚は育った土地でつくられる。小さい子供のときこそ、しっかりだしの味を知ってほしい。」とおっしゃっておられました。 食でまちを未来につなげることを始めた最初のまちとして、食文化館は食文化だけでなく産物か加工品を新しく開発していくセンターや研究機関になるべき中心基地である。もう少し視野を広げてまち全体を考えてほしい。 最後は福田布貴子さんから、小浜から健康都市を目指してノーベル賞を受賞してほしいなど大きなエールがありました。 市長、小浜市のポテンシャルはまだまだ磨き切れていないダイヤの原石だと思います。磨き、輝かせて、地域の経済のための食育、そして持続可能な食のまちづくりを次世代へしっかりつないでいただきますことをお願いいたします。 最後になりましたが、今回大変多くの皆様にアンケートや聞き取りを御協力いただきましたことを心より感謝をいたします。 これで一般質問を終わります。
○議長(小澤長純君) ここで、換気・消毒のため5分程度休憩いたします。 午後1時36分休憩 午後1時40分再開
○議長(小澤長純君) 再開いたします。 12番、能登恵子君。
◆12番(能登恵子君) 能登恵子でございます。午後のお疲れのところ、もうしばし私の一般質問にお付き合いください。 今日質問いたしますのは、議長のお許しを得られましたので、SNSによる子供の性被害の防止対策とヤングケアラー支援について、この2課題を質問させていただきます。 まず、SNSによる子供の性被害の防止対策についてでございますが、1999年に世界初の携帯カメラがテレビ電話用カメラつき携帯電話として日本に生まれ、20年余りたちました。カメラの性能もネット環境も大きくさま変わりしました。写真や動画の撮影も高度となり、ビデオ通話や学習・会議等のオンライン化、遠隔医療ほか実用とかコミュニケーションとか自己表現などの道具として、活用範囲は本当に簡単に大きく--これはもう世界でなんですが--広がってきました。世界が狭くなったということですね。また、学校現場でもGIGAスクール構想によって1人1台端末をはじめとしてIT環境整備も進み、子供たちがICT端末に触れる機会は増えました。多分、私たち大人が考える以上に、子供たち世代にとって当たり前の社会になってきたんだと思います。 AI・IoTネット社会の進展はとても早く増大し、拡大し、次の世代を担う若者にとって習得は必須であり、その中でも有益であり、有効であるものも本当にたくさんありますが、しかしその反面、便利さの裏にはトラブルや犯罪に巻き込まれる危険性も増大しております。特に今回、SNSによる子供の性被害の防止対策としましたのは、全国的にSNSでの被害が低年齢化していることと、スマートフォンの普及率の増により、今年6月にいよいよ県内でも起こりました。男子児童誘拐と性的被害に遭う、SNSを利用した事件が発生したことです。性被害といえば女性が被害者というのが断然多いのですが、男子児童でも危険であることをも訴えたいと私は思います。 福井県警の発表では、今までの被害者は全てフィルタリングをしていない児童が被害に遭っているとあります。72%以上の家庭がもうフィルタリングの設定をしていますが、残りの御家庭は、という思いがございまして一般質問を続けさせていただきます。 問1で子供の性被害の推移と、その中でSNSが原因になっている割合など現状認識についてお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 生活安全課長、畑田君。
◎生活安全課長(畑田康広君) お答えします。 福井県警察本部の統計データによりますと、県内の18歳未満の子供が被害者となった性犯罪の件数は、平成28年は25件、平成29年は28件、平成30年は34件、令和元年は36件、令和2年は22件、令和3年は10月末時点で22件となっており、令和2年につきましては減少しておりますが、総体的には微増で推移をしています。 また、SNSに起因する性犯罪につきましては、警察庁が出しております、令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況によりますと、全国の18歳未満の子供が被害者となった件数は平成23年には1,084件でありましたが、令和2年には1,741件と、この10年で約1.6倍に増加しております。また、県内におきましても、昨年は4件でありましたが、本年は10月末時点におきまして10件と、昨年と比較し既に2倍以上に増加している状況でございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 12番、能登恵子君。
◆12番(能登恵子君) 令和2年は22件というのは、コロナ禍の中、外出がままならなかったという事情もあるかもしれません。 危機感の高い保護者は、家庭では買い与える段階でのフィルタリングができております。残り30%の方に向けた小・中学校におけるフィルタリングサービスの利用促進に向けた取組についてお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 教育総務課長、内田君。
◎教育総務課長(内田靖彦君) それでは、お答えをいたします。 SNSによる性被害から子供たちを守るために、フィルタリングサービスを利用することは大変有効であると考えております。しかしながら、このフィルタリングサービスの利用は端末購入時に行われることがほとんどであるため、フィルタリングの効果や重要性をいかにして保護者の方々に御理解いただくかということが、子供たちを被害から守る意味において最も重要であると考えております。 そこで、各学校におきましては、保護者に対しまして福井県教育委員会が発行したリーフレット「お子様がインターネットを上手に利用するために知ってほしいこと」を配布いたしまして、その中でフィルタリングの大切さについて啓発しておるところでございます。また、PTAと連携した教育講演会においては、SNSをはじめとするインターネットの危険性やフィルタリングの重要性について認識を深める機会を設定している学校もございます。 今後は、よりSNS等の危険性について身近に感じていただくための手だてとして、県が発行いたします青少年のネット非行・被害対策情報など関係機関が提供する情報を活用し、より具体的な被害の実態やその対策方法について保護者の方々の関心を高める取組を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 12番、能登恵子君。
◆12番(能登恵子君) 私の質問項目の中に重複する項目がありましたので、2の質問と4を一緒にいたしまして次の質問をさせていただきます。 学校でも、いろんな取組をしていただいたことを本当にありがたく思いますが、後でもまた言いますが、ますます複雑化しているネット社会の中において気を緩めずに啓発をお願いしたいなと思います。本当に情報社会における生命の安全教育について、ますます学校の取組が重要かなと思います。学校における児童・生徒への指導についてお伺いいたします。
○議長(小澤長純君)
教育総務課長、内田君。
◎
教育総務課長(内田靖彦君) お答えをいたします。 SNSをはじめとするインターネットには、情報収集やコミュニケーションツールとしての有用性がある一方、SNSを介した性犯罪やいじめ等友人関係のトラブル発生の危険性がございます。これらの危険から自分の身を守り、有効にインターネットやSNSを活用していくためには、児童・生徒が正しい知識や判断力、危険を見抜く力をしっかりと身につけることが重要であると考えております。 このため、各学校におきましては、情報モラルや情報セキュリティーの学習を年間計画に位置づけ、各教科・道徳・特別活動などにおきまして、インターネット利用に潜む危険性や自他の人権を守る重要性などを発達段階に応じて計画的に学習しているところでございます。特に、インターネットやSNSの安易な利用は、自分はもちろん、友人の命も脅かす重大なことにつながることに視点を当て学習を行っております。 中学校では、技術科の情報の技術の単元におきまして情報セキュリティーや情報モラルについて学習をいたします。インターネットなどの情報技術がもたらすプラス面とマイナス面を学ぶことを通し、自身が正しく活用できる資質能力を養っております。また、小学校高学年や中学校では、小浜警察署員を講師に招きまして、ネットトラブルの予防や防犯教室などをテーマとしたひまわり教室を実施し、具体的な事例を通してSNSの危険性を学ぶとともに、危機回避の方法の一つとしてフィルタリングの効果などについても学習をしているところでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 12番、能登恵子君。
◆12番(能登恵子君) 小学校でもされてるっていうことは、本当に今低年齢の方々の被害も増えております、統計的に。小学校でもされているということは本当にありがたいことです。 ネットを活用し、また子供の力を引き出す、先生を含め大人の力も本当に必要になってくる時代になってきたと思います。また、ネットが万能であるという考えは、やっぱり捨てていかないといけないかなと思います。先生や大人との人間関係づくり、信頼関係づくりの中でネットがまた活用されるという、逆の考え方というのはすごく大事じゃないかなというふうに思います。バーチャルの中で私たちは生きてるわけじゃなくって、物を食べて、生きて、会話してというのが、このコロナの中で一番大事なことだということが分かってきたと思うんですね。必要なんですよ。必要なんですけど、人間の社会の中ではそれだけじゃないものが重要なんだっていうことが分かってきた今の時代だと思います。重要ということは先生方もよく分かってらっしゃると思うんですけれど、教職員の先生方の意識向上のため、どういう取組をされているんだろうということも気になりましてお聞きしたいと思います。
○議長(小澤長純君)
教育総務課長、内田君。
◎
教育総務課長(内田靖彦君) お答えをいたします。 SNSによる性犯罪をはじめとする危険から子供たちを守るために、まずは教職員の危機意識を高めることが重要であると考えております。そのために最も重要なことは、一人一人の教職員がSNSなどに関わる様々な情報に対するアンテナを高くし、関係する情報を自ら得る姿勢を持つことが必要であると考えております。 各校におきましては年間の研修計画の中に情報教育を位置づけ、指導の在り方や最新の情報について研修するとともに、生徒指導の研修では、世の中で起こっている事件や問題を取り上げ具体的な危険性や子供たちが抱えているリスクについて研修を行っております。また、県や国が開催をいたします研修会等に教職員を派遣いたしましてミドルリーダーを育成したり、関係機関を招いて直接指導や助言を受ける機会を設けたりして資質向上に努めているところでございます。 今後も、SNSによる性犯罪をはじめとするネットトラブルの危険から子供たちを守っていけるように、教職員の意識向上と指導力向上を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 12番、能登恵子君。
◆12番(能登恵子君) 先生方も大変な中、こういう時代になってきましたのでよろしくお願いしたいと思います。小・中学校においての先生方の取組は分かりました。 また、18歳未満といいますと高校生も含むということで、本市における対策についてもお伺いしないといけません。やはり性被害となりますと高校生が一番データ的に多いところでございますので、よろしくお願いいたします。
○議長(小澤長純君) 生活安全課長、畑田君。
◎生活安全課長(畑田康広君) お答えします。 SNSを利用しました性犯罪への対策につきましては、福井県警察本部において、スマートフォンなどによる自画撮りやインターネットを使用する際の注意、またSNSの利用に係る家族のルールづくりやフィルタリング設定の指導のための教室などが実施されておられます。 本市におきましては、福井県や福井県警察本部と連携し、チラシやパンフレットの配布などを行いSNSを利用した犯罪などを防ぐための啓発に努めております。また、福井県警察本部からのふくい安全情報ネットワークシステム、通称リューピーネットによる犯罪に関する情報について、本市や近隣地域での情報であった場合には、市民の皆様に対して小浜市防災メールにより広報をしておりますが、近年は性犯罪につながる不審者情報が多くなってきております。 来年2月頃には、福井県嶺南消費生活センターと連携し、若者を対象といたしました消費者トラブルに関する啓発パネル展を実施する予定をしており、SNSの危険性につきましても周知を図る予定をしております。今後も県や警察本部、また庁内の関係部署と連携し、子供たちがSNSを利用した犯罪に巻き込まれることのないよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 12番、能登恵子君。
◆12番(能登恵子君) ありがとうございます。期待しております。 次に、ヤングケアラーについて質問しますが、その中で相談者が流したい情報が一番ヒットするのがSNSだそうです。皮肉なことに、よい情報を流すのに役立ってるということでもあります。また、そこの中で何が起こっているか分からないという状況であるということもあります。 先ほど言われましたように、児童・生徒が正しい知識や判断力、危険を見抜く力をしっかり身につけ新しい時代に羽ばたいてもらいたい。本当にそれが一番だと思ってます。また、GIGAスクールが始まり、本当に先生方も学ぶことが多くて大変だと思いますが、時代のスピードが速くなり、今の子供たちはそれ以上にネットの中での学びというんですか、そういう能力が求められる時代が来ていると思います。 被害者が使ったSNSは、ツイッター、また学生限定の交流サイト「ひま部」とか、インスタグラム、LINE、チャットアプリ「マリンチャット」など、本当に私も聞いたことがないところもたくさんあります。年々新しいのが出てきて、フィルタリングでの有害情報サイトとして閲覧できなくなった部分もありますが、追いつかないのが現状だと思います。 再度言いますが、児童・生徒が正しい知識や判断力、危険を見抜く力をしっかりと身につけ、これは本当に身につけさせてもらえる場所がないとそれも難しいんですけど、身につけて新しい時代に本当に羽ばたいてもらいたいと願っています。今後ともよろしくお願いしたいと思います。 次ですが、ヤングケアラーの支援について質問してまいります。 最近よく知られるようになってきましたヤングケアラーとは、慢性的な病気の親の介護や幼いきょうだいの世話などを日常的に担う18歳未満の子供のことで、日本ケアラー連盟によりますと、ケアはアルコールやギャンブル依存症の家族への対応や、最近増えてまいりました日本語が話せない家族の通訳など本当に多岐にわたる状況があるというふうにお聞きしてます。学業や進路、精神状況にも影響があるとの報告も聞いております。 ヤングケアラーの背景には、少子高齢化や核家族化の進展、共働き世帯の増加、家庭の経済状況の変化など様々な要因があります。 こうした中、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任を負うことで、本人の育ちや教育に影響があるという課題の下、2021年--今年ですね、3月から厚生労働省と文部科学省が連携してプロジェクトチームを設置しました。関係機関がヤングケアラーを早期発見、適切な支援につなげるようになるための方策が検討されました。そして、福井県も今年の9月から10月、県内全ての高校2年生と中学2年生、計約1万3,800人を対象に生活実態調査をされましたが、回答率は12%と低いものでした。それでも、3世代同居が多い福井県の特徴が出ていると杉本知事が認識を示しておりました。世話をしている対象が祖父母、これが46%だったからです。ヤングケアラーの現状把握について、小浜市の教育委員会としての現状把握をお伺いしたいと思います。
○議長(小澤長純君)
教育総務課長、内田君。
◎
教育総務課長(内田靖彦君) それでは、お答えいたします。 ヤングケアラーの問題をはじめ、家庭的な問題、人間関係に関わる問題など、子供たちは日々様々な課題を抱えて生活をしております。これら子供たちが抱える問題を少しでも早く、また少しでも多く気づくことが子供たちの健やかな生活を保障する上で非常に重要でございます。 そのため、各学校におきましては、日々の子供たちの様子の観察や子供たちとの会話、また保護者・家庭との対話など、子供たちを取り巻く環境に広くアンテナを張ることにより問題の早期発見に努めているところでございます。特に、登校しづらい子供たちについてはその背景に抱えている問題を把握し、今必要な支援や関わりを考えるために家庭訪問や保護者との相談などを繰り返し行い丁寧な対応を行っているところでございます。 教育委員会では、毎月各校から、学校に登校しづらい子供たちの状況の報告があり、その状況や原因について把握をしております。その報告の中で、気になる子供に関しては各校に問合せをしたり関係機関と連携したりしながら、必要に応じて助言や指導を行っているところでございます。 このような取組で把握した何らかの家庭的な問題を抱えている子供は、今後ヤングケアラーにつながる可能性があると認識をしております。現在、そのような可能性のある子供については、教育委員会として把握し関係機関と連携しながら丁寧に対応しているところでございます。 ヤングケアラーは自身で自覚が難しいと言われております。このような子供たちの抱える諸課題の把握に努めることがヤングケアラーの早期発見にもつながるものと考え、今後も取組を続けてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 12番、能登恵子君。
◆12番(能登恵子君) 厚生労働省と文部科学省PTの報告によりますと、学校の教職員は子供と接する時間が長く日々の変化に気づきやすいから発見しやすい立場にあるが、教職員のヤングケアラー概念の周知は十分ではないと報告書の中にあります。子供からの話の中で分かった事例が一番多いにもかかわらず、そのような状況です。ひどいところでは--これはどこと言うと支障が出るので言わないですが--私の知っている限りの範囲の方ですが、先生に話しても聞かないふりをされた、知らないふりをされたというのも聞いております。先生の不信感が高まれば、なおさら訴えることはなくなるでしょう。たまたまその不遇な出会いがその子の相談できないという一生につながる可能性もあります。 さきの福井県の調査にしても、本人に自覚がない場合は統計では難しいと思いますし、小学生からの調査が取れていないことも問題かと思います。国・県の調査にもありますが、最長7年というのもありましたが、遡りますと、高校2年ですから7年ということは小学生も入ります。保育所の頃から、小学生から早く見つけ出し対策を取ることが本当に重要です。先ほども先生言われたように、早期発見・早期対策が本当に重要になってきます。 では、学校現場で見えなかった部分はどうするかといいますと、福祉の視点から福祉部局としての現状把握はどのようにされているのかをお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部次長、谷君。
◎民生部次長(谷義幸君) お答えいたします。 経済的困窮者の自立支援をはじめとしまして、高齢者や障がい者の介護支援、子育て支援などを担当いたします福祉部局では、ケアを要する家族がいる家庭での責任を誰が担っているのか、その負担が過剰でないか、またケアの継続が可能な状況であるかなどにつきまして、ケアを要する方のサービスの調整と併せまして状況の把握に努めているところでございます。 ケアを要する方が高齢者の場合の具体的な把握方法としましては、担当ケアマネジャーによってサービス導入時に介護者の負担軽減を含めたケアプランの作成とサービスの調整が図られるため、その時点で本人と介護者の状況を把握することが可能となります。また、介護者の負担状況の把握につきましては、介護負担アセスメントシートを用いまして、ケアが必要な本人へのケアプラン更新など定期的な関わりに併せまして家庭環境や介護者の状況を評価する仕組みがあるほか、通常のケアマネジメントでは解決が難しい場合には、地域包括支援センターに連絡が入り各種関係機関が連携して対応を検討していくことになっております。 一方、ケアを要する方が障がい者の場合につきましても、担当する相談支援専門員が介護者の負担軽減を含めたサービス等利用計画の作成とサービスの調整を図り、サービス導入後も定期的に評価する仕組みとなっておりまして、通常のケアマネジメントでは解決が難しい場合には、相談支援事業所に連絡が入り市を含む関係機関で連携して対応を検討していくことになっております。 さらに、子育てや生活困窮などの相談窓口やサービス提供時におきましても同じようにケアの責任を担う家族の負担状況の把握に努めておりますが、どの窓口におきましても家族へのケアにより学業や生活に影響のあるヤングケアラーは現在のところ把握されておりません。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 12番、能登恵子君。
◆12番(能登恵子君) 高齢者の場合、ケアマネが入ればそういう解決にも向かうと思いますし、障がい者の場合、障がい者という名前がつけばそういうのにつながります。 高齢者の介護認定に入らない、そのはざまの人たち、また障がい者といっても自分から病院に行って病気として、障がい者としての認定ができない家族というのも結構、ちょっとはざまがあるんですね。そういうところにおいての声というのは、親も声を出さないようにしてますし、これの難しいところはそうなんです、子供たちも家庭のことを言わないんですね。本当に、それがヤングケアラーとしての一番困難なところではないかなと思います。ですから、本当に、若いということで一番負担が重くなるかもしれませんけど、学校現場、また地域での見守りをしてくださる方、先ほど13番議員が言われてたみたいに包括的に地域で見守りができるような制度になっていかないと難しいんかなというのを思わされております。中・高生であっても、また福祉機関や専門職から大人と同じように家族の介護力と認定されて、福祉サービスなどの利用調整が行われているということもお聞きしております。こういうところに視点を当てていただきたいなと思います。 ヤングケアラーとしての視点と具体的な支援があるのかをしっかり持った、どこが窓口になるのかが明確にしておくことが本当に必要かと思います。これは、国のPTの中でも言われてることです。小浜市としては、「主になって担当する課は。」とお聞きしても、今はないような状況で、各課がそれぞれが頑張ってくださっているようですが、特に声の出せない子たちがどこに声を上げたらいいのかというのが分からないこと自体がまた問題なんですけどね。全国では中学生17人に1人です。高校生20人に1人というヤングケアラーがおられるということなんですが、小浜市には関係のない数字なんでしょうか。信頼して相談できる窓口やそういう人がない中、声を上げられませんでしょうね。 また、何度も言いますけど、見ぬふり、知らないふりをされていると、本当に信頼関係が、大人に対する不信感が高まるばかりです。人間関係が崩れたら本当に必要な支援も行かないような状況になります。先生方のヤングケアラーに対する認識もまた上げていただかないといけないと思います。ヤングケアラーに対する支援、私が今質問する中で一つでも前進していただけたらという思いを持ってお尋ねいたしますけど、教育委員会としてヤングケアラーに対する支援はありますかどうかお尋ねいたします。
○議長(小澤長純君)
教育総務課長、内田君。
◎
教育総務課長(内田靖彦君) それでは、お答えをいたします。 ヤングケアラーと言われる子供たちの多くは、家族の世話のために時間を費やすため、学習時間が十分に確保できなかったり学校に登校できなかったりする実態があると言われております。また、ヤングケアラーでないものの、様々な問題を抱えた子供たちの中には、家庭での生活が乱れ十分に学習に向かえない状況の子供たちも少なからずいるものと聞いております。 このような状況にある子供たちへの支援策として、まず家庭での生活支援がございます。子供たちの学習を保障するためには、家庭生活の改善を図り学校生活や学習に取り組むことができる環境を整えることが大切であると考えております。本市では、このような問題を抱えた子供たちの家庭に直接働きかけを行う役割を担うスクールソーシャルワーカーを配置しております。家庭訪問を通して、それぞれの家庭が必要としている支援に関わる専門機関や関係各所と家庭をつなぐ援助を行っております。 また、心理面の支援として、スクールカウンセラーによるカウンセリングも行っております。教員や身近な家族には相談しづらい心の内面を共有したり本人の精神的なつらさを緩和したりすることで、子供たちの心のケアに努めております。 一方、学習支援におきましては、本人との十分な対話の下、個に応じた家庭学習の在り方を工夫したり、登校しづらい子には別室を使った学習の保障を行ったりしております。また、学校に登校できていない子供については、本人や保護者との相談の下、本市が設置していますふれあいスクールにおきまして学校復帰に向けた学習の保障を行っているところでございます。さらに今後は、子供や家庭のニーズに応じて1人1台端末を利用したオンライン学習の活用など、様々な方法を使っての学習支援を行っていくことも検討しております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 12番、能登恵子君。
◆12番(能登恵子君) 検討しているというのはあまり好きな言葉ではないんですけど、ぜひとも進めていっていただきたいなと思います。 福祉部局として次は、ヤングケアラーに対する支援についてお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部長、岡君。
◎民生部長(岡正人君) お答えいたします。 ヤングケアラーを把握した場合には、教育機関と福祉部局、またサービス提供事業者や医療機関、さらに各地区の民生委員など各種関係機関による連携会議を開催し、情報の共有と支援のマネジメントを行い子供の学業や生活に影響のないケア体制を見直すとともに、ケアの負担軽減だけでなく子供の学習時間や場所の確保などを図っていくことが必要であると考えております。 議員先ほど言われましたように、令和3年3月に、厚生労働省において文部科学省と連携して行われました実態に関する調査研究の結果が報告されておりますが、その中で、子供が所属する学校等だけでなく、ケアしている家族に関わる人や関係機関がお互いに情報を共有し家族全体の対応について検討していくことが重要とされておりまして、具体的な支援策・連携方策の検討が進められる体制づくりが求められております。 こうした国の動向を踏まえ、市におきましても、ヤングケアラーと思われる子供の早期発見に努めますとともに、ヤングケアラーとその家族のニーズに対応したサービスを組み合わせて提供できるよう、関係機関との連携体制と支援の強化に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 12番、能登恵子君。
◆12番(能登恵子君) 重層的支援体制の必要性がますます増してきたと思います。よろしくお願いいたします。 家族のケアやお手伝いすること自体は本来、本当にすばらしい行為なんです。ただ、過度の負担により学業等に支障が生じたり、子供らしい生活が送れなかったりすることが課題であり、子供の権利には程遠くなってまいります。また、「ヤングケアラー」イコール悪いことのような印象を皆さんが持っていただくことはとても残念なことであるので、しっかりそれは教育機関も福祉機関も市を挙げて周知・広報をする必要があるのではないかと思います。国も来年度から周知・啓発を進めるようですが、支援を受けることは悪いことではないんだと、今、現場で生きている子たちに本当に周知していただきたいと思います。声を上げてもいいんだと、それは自分の権利なんだと、学ぶ権利があるんだと、そういうふうな思いを持って受けていただきたいし、また、どんなよい支援というのを皆さん言っていただきましたけど、そういう周知が行き届かなければ、その必要な子供たちにつながらないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 また、ヤングケアラー支援病院に診療報酬加算が今検討されておりますが、小浜病院での状況というのはどうなっていますか、お伺いします。
○議長(小澤長純君) 民生部次長、谷君。
◎民生部次長(谷義幸君) お答えいたします。 ヤングケアラーの支援に関する診療報酬の加算につきましては、退院後の生活を支えるため、介護が必要な親などが入院した際に病院側が生活の様子を把握する中でヤングケアラーを見つけ、福祉や介護、教育機関などと連携して支援につなげた場合に診療報酬が加算される仕組みでございます。 公立小浜病院では、令和4年4月の診療報酬改定に向けまして、中央社会保険医療協議会で診療報酬の加算案が示され各部会等で意見聴取の取りまとめをされているとの情報を把握しておりまして、今後示されます算定要件等を注視していくとのことでございます。 現在、小浜病院では、入退院支援を行う中で社会福祉士や精神保健福祉士などが、介護を必要とする親などの入院時に子供がヤングケアラーに該当すると思われる場合には、患者本人やその家族に応じた支援を行えるよう、各関係機関との連携体制は整えられているというふうに確認をしております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 12番、能登恵子君。
◆12番(能登恵子君) 各関係機関との連絡体制は整えられている--本当にありがたいことです--という御回答ですが、本当にありがたいことであるんですが、まだ動いてないんですね。4月からなんですね。また、4月からでもいいんですけど、体制が出来ただけではなくて成果が出るような生きた連携となることを願っています。 今大変な子は、今大変なんですね。子供たちの生活は続いております。声の上げられない状況も続いております。 必要な支援がない場合の大きな損失データがあるんですね。ちょっと古いデータですが、2015年、日本財団が子供の貧困の放置による経済的影響に関する推計を実施いたしました。子供時代の経済的格差が教育格差を生み、将来の所得格差につながってるという想定で、現状放置と格差改善の2つのシナリオを比較した推計です。改善シナリオでは、現状シナリオに比べ生涯所得の合計額が2.9兆円、税・社会保障の純負担が1.1兆円、正規職が9,000人増える、それぞれ増加するという推計も出ております。 少子高齢化、本当に人材不足の中、次の世代を担う子供たちのために各市町の責任は大きいかなと思います。子供の学ぶ権利や子供らしい社会生活が送れない生活、また、孤立化が進む、こういうことがあっては自治体にとっても大きな損失になってくるかと思います。小浜市は今年、第6次総合計画を公表し動き出しました。その中にSDGsの視点を取り入れています。誰一人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指しています。ぜひ、スピード感を持って今ある制度を使って支援をし、誰一人取り残さないまちにしていただきたいと思います。 これで私の一般質問を終わらせていただきます。
○議長(小澤長純君) ここで、換気・消毒のため5分程度休憩いたします。 午後2時29分休憩 午後2時34分再開
○議長(小澤長純君) 再開いたします。 2番、東野浩和君。
◆2番(東野浩和君) 2番、おばま未来の東野浩和です。議長の許可を得ましたので、発言通告書に基づきまして一般質問をさせていただきます。 本日の質問は1件です。 発達障がい者および発達障がい児支援の現状と今後です。よろしくお願いいたします。 近年、社会では多様性--ダイバーシティーという言葉をよく聞くようになりました。また、国連が2030年までに達成を目指している持続可能な開発目標--SDGsにおいては、地球上の誰一人として取り残さないという理念の下、今社会は動き出しています。今後、日本においてもSDGsを基本理念として社会づくりが進められていくことと思いますが、このSDGsの目標を達成するには、先ほど言いました多様性の尊重がベースになると言われています。この多様性というのは、人種、年齢、価値観や国籍、宗教、障がいなど様々あるわけですが、多様性を受け入れ合う第一歩として重要なことが、自分と別の境遇で生きる人のことを知るということだと言われています。 先月、男女共同参画の集いに出席させていただき講演を聞かせていただきました。テーマは、多様性の存在と生き方の尊重ということで聞きました。その講師の方というのは、大阪で弁護士をされているLGBTQ--性的少数者の方でした。講演の内容というのは、人を笑わせるような楽しい話の中にも、やはり自分たちのことを知ってもらいたい、自分たちもしっかり社会参加していきたいという強い、熱い思いが伝わってきて、より一層その方々の理解につながったと思いますし、本当に堂々とされていて大変ためになる講演だったと思います。 先ほど、多様性というのは本当に様々であると申し上げましたが、真に尊重し合える多様性を実現するにはクリアしなければならない課題も現実にはあると思います。このようなことを念頭に入れながら、質問に入らせていただきたいと思います。 それでは、当市においては、今年3月に小浜市障がい者(児)福祉計画、そして11月に第4期小浜市地域福祉計画案が出されています。その中で、障がい者の区分ですが、地域福祉計画においては障がい者を身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者というふうに区分されていますが、私たちは社会の中で、今回の質問の主である発達障がい者という言葉をよく耳にします。 そこでまず、発達障がい者・障がい児の定義と、障がい者福祉の中における位置づけはどのようになっているのかお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部次長、谷君。
◎民生部次長(谷義幸君) お答えいたします。 障がい者につきましては、障害者基本法をはじめ、障害者総合支援法、身体障害者福祉法などそれぞれの法律に規定されておりまして、障害者基本法では、身体障がい、知的障がい、発達障がいを含む精神障がい、その他の心身の機能の障がいがある者であって、障がいおよび社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にある者をいうと定義をされております。 また、発達障がい者、発達障がい児につきましては、発達障害者支援法におきまして定義されておりまして、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」として定められており、そのうち発達障がいを有するために日常生活または社会生活に制限を受ける者を発達障がい者、発達障害者のうち18歳未満の者を発達障がい児と規定されております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 2番、東野浩和君。
◆2番(東野浩和君) 要するに、発達障がいというのは通常低年齢において発現するわけですが、しかし、その兆候が見られる段階においてすぐに発達障がい者として規定されるわけではなく、その経過を観察しつつ、最終的に日常生活または社会生活の制限を受ける者と判断された時点で発達障がい者および児として規定され、障害者基本法においては精神障がい者という区分に入るということで、当市における区分でもそれに倣っているということだと思います。 それでは、近年、少子高齢化・人口減少が続いている中、これは内閣府のデータですが、ここ15年間において身体障がい者・知的障がい者・精神障がい者ともに障がい者人口が増加しています。そこで、当市の推移を見てみますと、ここ10年間で身体障がい者においては約13%程度減少していますが、知的障がい者は微増、精神障がい者においては約1.8倍と、2倍に迫る数値が出ています。当然、この中に含まれる発達障がい者も増えていると想定します。 先ほど申し上げた少子高齢化・人口減少が進む中で全国的にも同様の傾向が見られますが、このように精神障がい者数が急激に増えてきている現状に対して、その原因をどのように分析しているのかお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部次長、谷君。
◎民生部次長(谷義幸君) お答えをいたします。 令和3年3月現在での本市におけます障害者手帳の保持者数は1,965人でございまして、10年間で96人減少しております。その内訳としましては、身体障がい者が214人の減、知的障がい者が18人の増、精神障がい者が100人の増となっており、精神障害者保健福祉手帳の保持者が他の手帳保持者と比較して大幅に増加をしている状況でございます。 精神障害者保健福祉手帳の保持者が増加をしている要因としましては、地域社会において精神疾患に対する認識が浸透し、本人や家族等が精神疾患であることを受け入れ、状況改善に向けた治療や地域社会での活動支援を受けるために精神障害者保健福祉手帳を取得する方の増加が影響していると考えられます。 また、発達障がい者、発達障がい児につきましても、本市が実施しております3歳児健康診査におきまして発達の気がかりさを指摘される子供が年々増加をしておりまして、平成29年度から令和元年度の3年間の平均では受診者全体の40%を超える結果となっております。こうした状況は、平成17年4月に発達障害者支援法が施行され、さらに平成22年12月の障害者自立支援法の一部改正によりまして、発達障がい者が障がい福祉サービスの受給者として障がい者の範囲に明確に位置づけられたことで、地域社会における発達障がいに対する認識が年々浸透し家庭や保育所等で子供と日常的に関わりを持つ大人の気づきの機会が増え、早期の療育につなげるための働きかけが積極的に行われていることが要因として考えられます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 2番、東野浩和君。
◆2番(東野浩和君) どうしても障がい者数が増加していると聞きますとマイナス要因を思い浮かべてしまいますが、今の御答弁を聞いておりますと、精神障がい・発達障がいという面においては障がいに対する認識が広がり、障がいに対して正しく向き合う人が増えてきているということが大きな原因ということだと思います。要するに、障がいに対するハードルが下がり、障がいをより身近なものとして捉える社会になってきていると言えると思います。 そう考えますと悪いことばかりではないと理解したいと思いますが、ただ、もう一つの要因として現代社会の環境要因もあると言われています。長時間のスマートフォンの使用による睡眠不足からの生活リズムの乱れや日々の生活の中においても環境化学物質にさらされる機会が増えてきているなど、やはりこれらは脳神経の発達に悪影響を与える場合があると言われていますので、このような点については十分気をつけなければいけないと思います。特に、食に関しては生まれてから生涯を通じて1日何回も口にするものですから、その影響というのは本当に大きいと思います。その点、当市は食のまちづくりという現代社会におけるいい方向性を持っていると思いますので、このような面においても今後しっかり生かしていっていただきたいと思います。 それでは、冒頭に、多様性を理解し受け入れる第一歩として自分と別の境遇で生きる人のことを知ることが何よりも重要であると言いました。そこで、当市における発達障がいに関する理解促進への取組状況はどのようなものなのかお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部次長、谷君。
◎民生部次長(谷義幸君) お答えいたします。 本市では、平成23年3月に策定いたしました小浜市の総合的な発達障がい者支援計画に基づきまして、地域において発達障がいに対する理解を促進するため、保護者への支援や市民への普及啓発活動、支援者の育成に取り組んでまいりました。 具体的な取組のうち保護者への支援としましては、平成23年度に保護者向けハンドブック「子どもの発達に不安を感じたときのガイドブック」を発行いたしました。そのほか、平成24年度からは、障がいのある子供の子育て経験者にペアレントメンター養成研修の受講を促し、全7回の養成研修を終了いたしました6名のペアレントメンターが、自身の経験を生かし発達障がいの子供を持つ保護者の相談者として現在活躍をいただいております。 また、市民に対する啓発活動としましては、小浜市社会福祉協議会が発達障がいについて啓発する映画会を平成24年度から毎年開催しているほか、平成25年7月には教育評論家の尾木直樹氏による子育て講演会を開催いたしました。 一方、保育園児や小学校の児童には、平成25年度に障がいに対する理解を促す絵本やビデオの紹介、図書の配布を行ったほか、中学校や高校では、発達障がいの特性に対する理解を深めるための映画の上映を行いました。このほか、保育所や学校、放課後児童クラブにおきましても、発達障がい児の支援者に対し発達障がい児への療育的な支援方法を指導するため、研修や勉強会を実施しております。 こうした様々な取組によりまして発達障がいに対する理解促進が図られておりまして、引き続き地域での普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 2番、東野浩和君。
◆2番(東野浩和君) この発達障がいというものがどのような障がいであるのか。相手のことを知ることにより安心感が生まれ、そして心の余裕が生まれ、多様性を認める心につながっていくのではないかと考えます。今後ともしっかり理解促進への取組を広げていっていただきたいと思います。 それでは、この発達障がいというのは比較的早い時期に発現しやすいと言われる中、早期に発見し早期に療育していくことが何よりも重要であると言われています。当市における支援体制はどのようになっているのかお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部次長、谷君。
◎民生部次長(谷義幸君) お答えいたします。 本市におけます早期発見・早期療育に対する体制としましては、母子保健法に基づく1歳6か月や3歳児の法定健診時に加え、市独自で実施しております6か月児健康診査や1歳児育児相談、5歳児健康相談を通しまして発育状況の把握に努めております。また、健康診査時には小児科医師、教育相談担当職員、言語聴覚士、臨床心理士、保育カウンセラー、保健師、理学療法士など様々な専門職による問診や遊びの指導などを受けることができ、児童に発達障がいの疑いが見られた場合には、児童の保護者に対し適切に支援を行うため、継続的な相談、情報の提供および助言が行える体制を構築しているほか、必要に応じまして早期に医学的または心理学的判定を受けることができるよう、若狭健康福祉センターや敦賀児童相談所、公立小浜病院、小浜市母と子の家児童発達支援センターなどを紹介し、保護者の意向を踏まえた上で児童に必要とされる専門的な発達支援が早期に提供できるよう事後指導も行っているところでございます。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 2番、東野浩和君。
◆2番(東野浩和君) 1歳6か月・3歳児の法定健診時に加え、市独自で6か月児・1歳児・5歳児に発育状況の把握に努め、またその時々の対応をされているということで、早期発見・早期療育という面においてはかなりしっかりした体制があると感じました。このような初期の段階は保護者の方の心理面も含めて非常に重要なところだと思いますので、今後ともしっかりした対応をお願いしたいと思います。 それでは、今言われたように、6か月健康診査から始まって進んでいく段階で発達障がいがある程度確認される時期があると思います。就学前および就学時には保護者の方は子供のためにどのコースに進ませるのがいいのか大変悩まれると思いますが、その相談体制および就学支援体制はどのようになっているのかお伺いいたします。
○議長(小澤長純君)
教育総務課長、内田君。
◎
教育総務課長(内田靖彦君) それでは、お答えをいたします。 障がいのある未就学児は、小浜病院や小浜市母と子の家児童発達支援センター等で療育を受けることが多く、保育園入園後も通園しながらこれらの療育機関に通っている状況でありますが、本市では、障がいを早期に発見し、就学までに発達支援、保護者支援につなげる5才児健康相談を実施しております。また、保育者の要請に応じて、嶺南教育事務所や嶺南西特別支援学校といった専門機関からの指導・助言を受けられる教育相談も継続しているほか、日常的には市の保育カウンセラーが園を巡回し保護者の相談に応じております。 就学前に実施されます就学時健康診断におきましては、全ての子供を対象に知的発達スクリーニング検査を行っており、個々の状況によって再検査を行い支援が必要な子供の早期発見に努めております。再検査後には、保護者が安心感を持って入学を迎えられるよう、学校が保護者と面談し子供の成長について連携していくことを確認する場も持っております。 一方、義務教育の入り口である小学校1年生の就学時には、障がいのある子にとって大きく環境が変化するときでございまして、成長著しい時期であるとともに保護者にとっては思い悩むことが多い時期でもございます。市では、医師や福祉の専門家による就学支援委員会を年に複数回開催いたしまして、発達障がい等の子供の適切な学びの場を協議し、入学後に必要な合理的配慮や支援について学校や保護者に提案をしております。また、この就学支援をより充実させるために今年度から就学支援専門員を新設し、保護者や保育園・学校からの要請により発達検査や保護者面談を行っております。 今後も支援関係者間の連携を強め、保護者へより質の高い支援を提供できるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 2番、東野浩和君。
◆2番(東野浩和君) その子供に適した場所を選ぶというのは大変重要なことだと思いますし、無理して通常学級へ入ってストレスをためてしまう子供もいると聞きます。まだまだ将来に向かって改善していける時間的余裕のある時期だと思いますので、保護者の方の意向もあると思いますが、適切な指導ができるよう、しっかりした対応をお願いしたいと思います。 それでは次に、少し全国レベルの話になるかもしれませんが、療育手法およびそれに係る支援手法について3点ほど具体的にお伺いしたいと思います。 まずは、ABA--応用行動分析という療育手法があると聞きます。これはアメリカで生まれた療育手法であり、アメリカでは保険適用されているということです。この療育手法の目的というのは、一言で言いますと問題行動の是正ということですが、唯一科学的エビデンス--証拠のある療育手法と言われています。ただ、発達障がい児にもいろいろタイプがあると思いますので、全ての子供に効果が上がる保障はないということですが、しかし、この療育手法が当てはまる子供には圧倒的な効果が出るとも言われています。このようなことを聞きますと、うちの子供にも受けさせてみたいというのが親心ではないかと思います。このABAに対する当市としての対応はどのようなものかお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部次長、谷君。
◎民生部次長(谷義幸君) お答えいたします。 応用行動分析--ABAとは、1960年代にアメリカの心理学者バラス・フレデリック・スキナー博士によって確立された心理学の一つで、その子の行動をよく観察し行動の前後を操作することにより、好ましい行動を増やし好ましくない行動を減らすことができる原理を利用しました行動主義の理論に基づいたもので、言語能力の向上、社会性の向上、小学校普通学級への入学率の上昇など高い効果が示されておりまして、発達障がい児の早期療育に使用される療法の一つであると認識をしております。 本市の障がい児療育の拠点でございます小浜市母と子の家児童発達支援センターではABAによる療育支援を行ってはおりませんけども、ABAと共通する手法によりまして支援の提供を行っております。 具体的には、刺激が苦手な児童に対しては刺激を与えることを控え、声かけが苦手な児童に対しましては自発的な行動を促す、また禁止の言葉がけを控えて肯定的な言葉がけを行うなど、児童の個性に適した療育的な支援を継続して提供しており、こうした療育支援によりまして児童の成長に効果が現れてきております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 2番、東野浩和君。
◆2番(東野浩和君) それでは続けて質問させていただきますが、いろいろ療育に関することを調べてみますと、世の中にはスクールシャドーというサービスの専門職の方がおられます。このスクールシャドーというのは、主に発達障がいを持ちながらも通常学級に入った子供を支援するサービスですが、どのような支援かといいますと、その子にぴったりついて身の回りの世話をするというのではなく、いつも少し離れた傍らにいて、その子がどうしても周りについていけない場面や順応できない場面などにおいて絶妙のタイミングで手を差し伸べるという、非常に高い技術を要する支援手法だそうです。たったそれだけのことかもしれませんが、これもかなり効果があるということで入れられるものなら入れたほうがよいと、実際に体験された保護者の方の手記にもあります。 私もこのような専門職の方が当市でも活躍できるようになればいいなと思いますが、このスクールシャドーのようなサービスの受入れに対する教育委員会の考え方についてお伺いいたします。
○議長(小澤長純君)
教育総務課長、内田君。
◎
教育総務課長(内田靖彦君) お答えをいたします。 スクールシャドーとは、東京都にある特定の民間企業が展開しております自閉症や発達障がいの子供の療育を支援する方法の一つでございます。その主な活動とは、幼稚園や保育園、小学校など、子供が生活する集団場面に事業所のスタッフが直接入り子供に付き添って支援を行うことであり、近年同様の方法による様々な取組は全国的に行われているところでございます。 現在、本市においても全小・中学校に学校生活支援員が配置され、集団の中で支援が必要な子供に対し声かけやサポート等の支援を行っております。また、複数の学校には県による特別支援講師が配置されておりまして、通常学級に在籍する支援を要する子供に対し支援や指導を行っております。 このほか、障がいのある子供への福祉サービスを提供している小浜市母と子の家児童発達支援センターが保育所等訪問支援事業を展開しておりまして、訪問支援員が学校を訪問し、障がいのある子供に対して集団生活への適応のための専門的な支援サービスを行うものでございます。サービス利用に当たりましては、保護者のニーズに応じて相談支援事業所が対象児の実態把握を行い訪問支援の必要性を精査し、必要性が認められた場合、学校やサービス提供事業所とともに支援計画を共有し、より対象児に合ったサービスが提供できるようにしております。 発達障がいのある子供への支援においては、支援者との関係の構築はもとより、保護者・学校・事業者との信頼関係が基盤であり、市としてはこれら関係者間の顔が見える関係づくりを大切にし進めてきております。このように、本市においては障がいのある子供への支援を、行政と民間が一体となって取組を進めているところでございまして、今後ともこれらの支援の継続と質の向上を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 2番、東野浩和君。
◆2番(東野浩和君) それでは次に、障がい者の方々が日々生活していく点において、ガイドヘルパーの支援サービスは非常に重要な要素であると思います。また、障がい者の方々が興味あるものを通して社会と関わる経験を積むというのは、順応能力を高めるという意味においても大切であると考えますが、当市におけるガイドヘルパー利用の要望に対する対応状況についてお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部次長、谷君。
◎民生部次長(谷義幸君) お答えいたします。 発達障がい者に対する支援を提供するガイドヘルパーとは、障害者総合支援法に規定されております移動支援事業に従事する者でございます。移動支援事業は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第77条に規定されております地域生活支援事業のうちの一つで、障がい者等が円滑に外出することができるよう障がい者等の移動を支援し、地域の特性や利用者の状況に応じ各市町村の判断により柔軟な形態で実施できるものとされております。 本市におきましては平成26年度から小浜市移動支援事業を実施しておりまして、利用対象者は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障がい者や障がい児であって、社会生活上必要不可欠な外出および余暇活動等の社会参加のための外出時に支援が必要であると認めた者としております。市内におきましてこの移動支援事業を行っております事業所は、ホットラインサポートセンターつみき・ニチイケアセンター小浜・小浜市社会福祉協議会・県民せいきょうホームヘルプサービス・ふらむはぁとヘルパーステーションの5事業所でございまして、買物や散歩、美容院など利用者の日常生活に寄り添った支援が提供されておりまして、今後も利用者のニーズに応じた移動支援につながるよう努めていきたいと考えております。 なお、移動支援事業を御利用いただくためには御本人または保護者からのお申込みが必要になりますので、高齢・障がい者元気支援課へお問い合わせいただければ、お手続に関する御案内をさせていただきます。このほか、担当の計画相談支援員を通じた御案内や御相談等もお受けしておりますので、詳しくはお問い合わせいただければと思います。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 2番、東野浩和君。
◆2番(東野浩和君) 今3点ですね、ABAという療育手法、スクールシャドーやガイドヘルパーという支援サービスについて具体的な質問をさせていただきました。当市としては、それぞれの目的に対応し得る体制はあると理解しますが、それでは続けて、今後の地域福祉における療育体制や支援サービスの充実に対する考え方についてお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部次長、谷君。
◎民生部次長(谷義幸君) お答えいたします。 本市では、令和3年3月に第2期障がい児福祉計画を策定し、障がい児や発達の気がかりな子のライフステージに応じた切れ目のない支援等に取り組むため、国の基本指針と本市の実情を踏まえ、サービス提供体制の整備を推進することとしております。 具体的には、小浜市母と子の家児童発達支援センターを地域の障がい児療育の拠点とし、児童発達支援事業・放課後等デイサービス事業・保育所等訪問支援事業に加えまして、令和3年度からは居宅訪問型児童発達支援事業を実施しており、このような事業を継続して提供するために、利用者ニーズに沿ったサービスの充実に取り組んでいきたいと考えております。また、日常生活におきましては、医療的支援を必要とする医療的ケア児に対しても適切な支援が提供できるよう、療育体制の充実に努めていきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 2番、東野浩和君。
◆2番(東野浩和君) 母と子の家児童発達支援センターを拠点として支援事業の幅を広げてきている中、利用者ニーズに沿ったサービスの充実の取組や適切な支援提供ができるよう療育体制の充実に努めていくということで、大変積極的な御答弁をいただいたと思います。 ここで、今までの質問を通して私の見解を少し述べさせていただきたいと思います。 当然のことかもしれませんが、発達障がい児に対する療育支援の目的というのは、最終的に社会参加へつなげることだと思います。しかし、この発達障がいに関しては完治するものではないと聞いておりますので、全て自分の力でというのは難しいかもしれませんが、療育効果次第ではかなり期待できる部分もあるのも事実だと思います。ですから、そこには療育の質というものが非常に重要になってくると思いますし、そのような中で療育というものをいろいろ調べてみますと、療育の質によってかなり障がいに対する改善度が変わってくるものだなと感じるわけです。ですから先ほど、世の中の先端を行くようなABAによる療育手法やスクールシャドーの支援サービスの質問をしたわけですが、私の言っている療育の質というのは療育手法の受皿の広さや専門性、またそれに係るサービスの充実度などのことですが、例えば都会に住んでいれば療育効果の選択肢として好きなものを取り入れて活用できる環境が身近にあるのですが、地方というのはやはり地理的不利がありますから、ある程度与えられたものから選ぶしかないのが現実だと思います。ですから、地域福祉という面においては、今ある療育体制の質の精度を上げていくという考えが非常に重要になってくると思います。療育効果が上がり、いい形での社会参加につながれば支援の軽減にもつながり、本人や保護者の幸せはもちろんのこと、行政の財源軽減にもつながるという考え方をしっかり持っていただきたいと思います。そして、ぜひそのような方向性を持って今後の地域福祉の充実に取り組んでいっていただきたいというのが私の思いです。 それともう一つ申し上げたいのは、当市や嶺南地域にお住まいの方で、発達障がいをお持ちの御家族を嶺北の施設に預けている方がおられると思いますが、なぜかとお聞きしますと嶺南にはないからという返事が返ってくるわけです。そして、近くの嶺南にもそのような施設が欲しいと言われます。そのような話を聞きますと、同じ福井県でもまだまだ格差があるのかなと感じるわけです。 ないという意味はいろんな意味で捉えることができると思いますが、例えば基本的に受け入れてもらえる施設やサービスがないという意味、それとですね、施設やサービスの体制はあるけれどニーズがマッチしていないという意味のないがあると思います。例えば先ほど言いましたガイドヘルパーを利用する場合でもですね、その使い勝手はどうなのか、申込みの簡潔さや対応の迅速さ、利用者との信頼関係の構築、また、どこまでの要望範囲に対応できるのかなど、そのほかのサービス需要も含め今後の地域福祉の充実を進めていくには、このようなニーズの精査をしっかり行っていきながら当市および嶺南地域福祉の整備・向上を図っていっていただきたいと思います。また、県に要望すべきところはしっかり要望していっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、最後の質問になります。 この2年間、コロナ禍により社会全体はもちろん、学校教育現場もその対応は本当に大変であったと思いますが、ましてや障がい児を受け入れている療育現場においては様々な御苦労があったかと思います。 そこで、コロナ禍における療育への影響はどのようであったか、また今後の課題としてどのようなものがあるのかお伺いいたします。
○議長(小澤長純君) 民生部次長、谷君。
◎民生部次長(谷義幸君) お答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けまして、令和2年3月から県内におきましても学校の臨時休業措置が講じられ、地域の障がい児の生活にも影響が生じておりました。臨時休業期間中の療育施設の利用につきましては、感染の拡大を防止するため可能な限り自宅で過ごしていただくよう保護者への依頼を行いましたが、保護者の多くは就労を理由に利用継続を希望されましたことから、児童発達支援事業・放課後等デイサービス事業・保育所等訪問支援事業につきまして、若狭健康福祉センターによる指導の下、感染対策を講じた上でサービスを継続して行ってまいりました。 現在では、地域においてコロナの感染状況は落ち着いておりますが、今後も療育の場におけます感染対策を徹底し、感染が拡大した場合には若狭健康福祉センター等の指導を仰ぎまして、保護者のニーズに沿ったサービスを継続して提供できるよう努めていきたいと考えております。 今後は、支援を必要とする全ての障がい児が安心できる環境で専門的かつ効果的な療育を継続して受けられるよう、利用者ニーズに沿った療育体制の確保にも取り組んでいきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小澤長純君) 2番、東野浩和君。
◆2番(東野浩和君) 本当にコロナ禍の中で障がい児を自宅で過ごさせるのはなかなか厳しいものがあると感じます。そのような中で、サービスを継続して精いっぱいの対応をされてきたことに敬意を表したいと思います。 今現在、コロナ禍は収まっている状況ですが、まだまだ予断は許さない状況ですので、今後とも安心できる環境整備をしっかり進めていっていただきたいと思います。 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(小澤長純君) これをもって一般質問を終結いたします。 ここで、換気・消毒のため5分程度休憩いたします。 午後3時16分休憩 午後3時20分再開
○議長(小澤長純君) 再開いたします。
△議案第85号
○議長(小澤長純君) 日程第2 議案第85号小浜市
光ファイバ網整備工事請負契約に関する変更契約の締結についてを議題といたします。
△提案理由の説明
○議長(小澤長純君) 提案理由の説明を求めます。 市長、松崎晃治君。
◎市長(松崎晃治君) ただいま日程第2をもちまして議題に供していただきました議案第85号につきまして、提案理由の御説明を申し上げます。 議案第85号小浜市
光ファイバ網整備工事請負契約に関する変更契約の締結についてでございますが、地方自治法第96条第1項第5号および議会の議決に付すべき契約および財産の取得または処分に関する条例第2条の規定により、議会の議決をお願いするものでございます。 以上が提案理由の説明でございまして、詳細につきましては、この後担当職員から説明いたさせますので、よろしくお願いいたします。
○議長(小澤長純君) 総務部長、岩滝君。
◎総務部長(岩滝満彦君) それでは、議案第85号につきまして、お手元の議案書により御説明をさせていただきます。 1ページをお願いいたします。 議案第85号小浜市
光ファイバ網整備工事請負契約に関する変更契約の締結についてでございますが、提案理由は、小浜市
光ファイバ網整備工事請負契約に関する変更契約を締結するため、地方自治法第96条第1項第5号および議会の議決に付すべき契約および財産の取得または処分に関する条例第2条の規定により、議会の議決をお願いするものでございます。 契約の目的でございますが、小浜市
光ファイバ網整備工事請負契約の契約金額の減額でございます。 契約の方法でございますが、工事請負契約の変更でございます。 契約金額につきましては、変更前が11億4,620万円、今回の減額が1億182万2,600円、変更後の契約額が10億4,437万7,400円でございます。 契約の相手方は、石川県金沢市北安江一丁目3番24号金沢フロントビル5階、株式会社NHKテクノロジーズ名古屋総支社金沢事業所、事業所長小林哲生様でございます。 以上、議案第85号の説明とさせていただきます。 よろしくお願いいたします。
△質疑